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専門家が分析する「高橋礼」サブマリン投法の秘密を大解剖
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.10.16 06:00 最終更新日:2019.10.16 06:00
140kmを超えるストレートを最大の武器とする、本格派のアンダースロー投手が登場した――。福岡ソフトバンクホークスに入団2年めとなる高橋礼投手(23)は、今季は開幕ローテーション入りを果たし、12勝6敗(チーム2位)、勝率6割6分7厘(パ・リーグ2位)と大活躍。
令和のサブマリン右腕を徹底検証するべく、メジャーリーグでのトレーナー経験を持つスポーツ科学の専門家・石橋秀幸氏(フェアプレイ・データ)に、高橋投手の投球動作を分析してもらった。
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「オーバースローで投げる田中将大、大谷翔平、ダルビッシュ有と、高橋投手の投球動作を比較しました。
高橋投手は、重力に逆らって腕を振り上げるわけですが、大きく胸を開いてから腕を振る速度が、3人のメジャーリーガーとほぼ同じ(0.07秒)。腕を加速させる使い方が上手投げの速球派の投手と同じだから、速い球が投げられるのだと思います。
また、彼のフォームの特徴のひとつが、トップでの手首の角度。腕を振り上げたとき、手の甲がショート側を向いています。
多くの投手は、手の甲が捕手側かセンター側のどちらかを向くものですが、高橋投手はダルビッシュ投手によく似ていて、トップの位置で手首がやや斜めになります。アンダースローですが、自然な動きをしています。
フォームを固めることが難しいアンダースローですが、高橋投手は、左足を上げる高さ、足の着地点など、一連の動作が安定しています。股関節の柔軟性で対応しているんですね。
投球動作が大きいので体力を消耗しますが、それを補う下半身の力と筋力があります。とても器用な選手ですね」
冒頭の図では、投球フォームを3つの動作に分けて、複数回計測した平均値のデータを示した。動きにほぼ誤差がないことがわかる。「コッキング」とは、胸を開いて腕を後ろに引く動作で、「アクセレーション」は加速期を表わす。
写真・谷口由記
(週刊FLASH 2019年10月22・29日号)