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駒田徳広が明かす「日本シリーズ」バ〜カ発言の真偽は…
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.10.20 06:00 最終更新日:2019.11.06 10:18
100試合以上おこなわれるペナントレースとは違い、負けたら終わり、甲子園さながらに本気でぶつかる「日本シリーズ」が、今年も10月19日からスタートする。
日本一を争う場では、「最高峰の仕事」が勝負の行方を左右してきた。その舞台裏にあった「ドラマ」を聞くべく、元巨人の駒田徳広さん(57)を訪ねた。
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1989年、巨人に3連勝した近鉄・加藤哲郎の「(巨人は)たいしたことがなかったですね」は球史に残る「舌禍事件」だ。これに奮起した巨人がその後3連勝。さらなるドラマは最終戦に。
駒田さんが2回表に先制本塁打を放ち、三塁を回る際に、マウンドの加藤に「バ〜カ!」と叫んだように見えた。巨人が第7戦に勝利し、大逆転で日本一となったが、それ以上に「例の場面」が、ファンの記憶に強く刻まれることになった。
「巨人は3連敗していたし、『たいしたことない』と言われても仕方なかった。まあ、いろいろ書かれたり、言われたのは、マスコミが盛り上げようと思ったからでしょう。
実際のところ、加藤君の発言で、チームの雰囲気がガラリと変わったということは、なかったですね。気合を入れれば勝てるほど、プロの世界は甘くありません。
でも、逆襲のひとつのきっかけにはなったのでしょう。土壇場に追い込まれていたし、『いかに勝つか』を考えていました」
「バ〜カ!」発言を問うと、「言いました」と即答。
「思ったことを言っても、僕はいいと思っています。自己責任でね。でも、プロならファイティングポーズを取るのは当たり前のこと。だから、あのときもいまも、加藤君に何か思うところは一切ないです。
日本シリーズはやはり別格。ペナントレースとは全然違った。試合前の『君が代』を聞いたとき、奮い立つものがあったことを覚えています」
駒田さんはそのとき、シリーズ打率.522でMVPにも輝いた。引退後は2016年から2019年9月まで、「高知ファイティングドッグス」の監督を務めていた。現在は野球解説者として活動中だ。
こまだのりひろ
1962年9月14日生まれ 奈良県出身 ドラフト2位で1981年に巨人入団。1983年、史上初となるプロ初打席で満塁本塁打。2000年に2000本安打を達成した。ゴールデングラブ賞は、一塁手としては史上最多の10回受賞
(FLASH DIAMOND 2019年11月15日増刊号)