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高橋慶彦が明かす「日本シリーズ」MVPの裏に極度の重圧

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.11.02 06:00 最終更新日:2019.11.02 06:00

高橋慶彦が明かす「日本シリーズ」MVPの裏に極度の重圧

 

 100試合以上おこなわれるペナントレースとは違い、負けたら終わり、甲子園さながらに本気でぶつかる「日本シリーズ」。

 

 日本一を争う場では、「最高峰の仕事」が勝負の行方を左右してきた。その舞台裏にあった「ドラマ」を聞くべく、元広島の高橋慶彦さん(62)を訪ねた。

 

 

 1979年、シーズンで33試合連続安打の日本新記録を樹立。日本シリーズも全試合で安打。さぞかし自信があったかと思いきや、内心は逆だった。

 

「記録は気楽にやった結果。守備はまったく自信がなかったんです」

 

 不安が現実のものとなったのは、第7戦9回裏、広島の1点リードで迎えた近鉄の攻撃。無死から一塁走者が盗塁。捕手・水沼四郎の送球が逸れ、無死三塁に。記録は水沼の失策も、高橋さんは、自分自身にプレッシャーをかけてしまう。

 

「満塁策を取ってマウンドに集まったけど、何を話したかまったく覚えていない。とにかく『打球が飛んでくるな』と、祈っていました」

 

 結局、広島は1点差を守りきり、高橋さんは打率.444でMVPを獲得した。

 

「嬉しさより、安堵感だけ。もし後逸で負けていたら、広島には帰れませんでしたから(笑)」

 

 現在は野球解説の仕事とともに、子供たちに野球を教えるため、全国を飛びまわっている。

 


たかはしよしひこ
1957年3月13日生まれ 北海道出身 ドラフト3位で1975年に広島入団。入団後、古葉竹識監督の指示でスイッチヒッターに。広島を代表する俊足巧打の遊撃手として長年活躍。通算477盗塁は歴代5位

 

(FLASH DIAMOND 2019年11月15日増刊号)

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