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「FA改革」を主張した巨人・原監督、そこまで熱くなるワケは?

スポーツ 投稿日:2019.11.05 18:54FLASH編集部

「FA改革」を主張した巨人・原監督、そこまで熱くなるワケは?

写真:AP/アフロ

 

 11月4日、プロ野球巨人原辰徳監督(61)が、FAによる人的補償制度の撤廃を訴え、物議を醸している。

 

 宮崎での秋季キャンプを前に、ジャイアンツ球場でおこなわれた全体練習を見守った原監督は、FA制度について「人的補償を撤廃すべき」「プロテクト枠を40人に拡大」など持論を展開した。

 

 

 一方、この日に巨人が今オフ中に楽天・美馬学投手とロッテ・鈴木大地内野手の獲得に乗り出すという報道があったことや、資金力で優位に立つ巨人の監督として提案したことで、ネット上にはこんな批判の声が上がっていた。

 

《原はDHを取り入れろとかFAの人的補償をなくせとか 日本シリーズで4連敗した理由を他に押し付けるのが露骨すぎて見苦しいね》

 

《これは流石に卑怯でしょ 日本球界を盛り上げるどころか衰退させるようなもの プロ野球ができた頃からある球団にこんなことを聞きたくなかった》

 

 今回の意見がよいか悪いかは別として、原監督がFAについて熱い思いを抱いているのにはワケがある。

 

 1990年オフ、日本プロ野球選手会の会長として「1992年オフからのFA制度導入」を求める提案書を提出した張本人こそが、当時巨人の選手だった原だからだ。

 

 原は翌1991年オフには、選手会会長として日本プロ野球機構側との “団交” に着手。「(実現されなければ)ストライキも考える」「選手会会長を辞す覚悟で臨む」と過激な発言も飛び出した。

 

 制度の実現のための交渉で、ある人物から “援護射撃” があったとスポーツライターは語る。

 

「原氏が率いる選手会とオーナー間での交渉が膠着状態にあった1991年12月、一番最初に折れたのが巨人でした。特に当時、読売新聞本社社長だった渡邉恒雄氏が『ドラフト制度は憲法、独禁法違反。FAを認めないのであれば、ドラフト制について法的に訴えればいい』『旧ソ連だって市場経済を取り入れつつあるのに、プロ野球界はスターリン以前』と原氏寄りの主張したことから潮目が変わりました」

 

 結果的に原が選手会会長を退任した後の1993年オフからFA制度は導入された。

 

 時は流れて26年。今は読売新聞社の主筆となった渡邊氏だが、いまだにプロ野球界への影響力は強い。

 

 日本シリーズ敗退から一夜明けた10月24日、球団事務所に向かった原監督は、「国内FAを含めた補強方針」を話し合い、その後、2012年以来の日本一奪回を強く望む渡邊氏にも挨拶したという。

 

 今回の「FA制度発言」が渡邊氏への目配せでなければいいが……。

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