スポーツ
元巨人・槙原寛己「目が悪くて、投げる場所は『だいたいあのへん』」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.12.08 16:00 最終更新日:2019.12.23 21:21
Amazonプライム・ビデオで配信中の『プロ野球そこそこ昔ばなし』。そこそこ昔のプロ野球にスポットを当て、往年の名選手たちが思い出話を繰り広げる同窓会系野球バラエティだ。
12月20日から配信される「エピソード10」から、「キャッチャーのサインがほぼ見えていなかった話」の一部をご紹介する。登場するのはナイツの土屋伸之、塙宣之、元巨人の槙原寛己だ。
槙原 これ、私の話ですね。
塙 僕らでさえ試合を見て(目の悪さが)わかってましたよ。
【関連記事:ジリ貧巨人軍「坂本勇人」がキャバ嬢とお熱い延長戦】
槙原 キャッチャーの指が何本なのか、わからないんですよ。よく見ようとすると、下手するとボークしちゃう。だから、自分からサインを出すようにしたわけね。こっちの動きとキャッチャーの動きで、足したり引いたりするの。
でも、全部相手チームにバレちゃってたんだよね。ある年の日本シリーズで解説してた広沢(克己)さん(当時ヤクルト)が、僕が投げる前に球種を全部当ててたくらいだから。広沢さんは、その次の年に巨人に来たんだけど、「全部わかってたよ」って言ってましたもん。
土屋 コンタクトレンズは?
槙原 僕は「弱視」なんですよ。どれだけ矯正してもせいぜい視力は0.6くらいまで。でも、0.6だとナイターは見えないんだよね。
塙 どうやって投げてたんですか?
槙原 「だいたいあのへん」って投げてた。
土屋 それでコントロールつきますか?
槙原 なんとかなるね。でも、バッターの顔はわからない。「ピッチャーはバッターの表情とか目の動きを見て、狙っている球種がわかる」なんていう話も聞きましたけど、自分はまったく見えないから、「何を言ってんだよ」と思ってました。
土屋 打席は大丈夫だったんですか?
槙原 勘だよね。でも、それが当たり前だったから。そういえば、プロに入るときの話。契約した後で、親父がちょっと来いって、裏に呼ばれてね。「お前、プロはやっぱりやめたほうがいい」って言うわけです。
高校野球はデーゲームだからいいけど、プロはナイターがあるから見えないだろう、プロはきついぞ」と。「ああ、そうだね」って言ったんですけど、もうサインした後でしたからね(笑)。
塙 コンタクトすればよかったんじゃないですか?
槙原 多摩川のグラウンドで練習やってると、砂ぼこりが目に入って、痛くて痛くて。練習のときはコンタクトしろってコーチに言われてたんだけど、こっそり外してた。それがバレて、ケツバットを食らったりしました。
土屋 メガネは?
槙原 僕がかけるとしたらケント・デリカットみたいな、牛乳瓶の底みたいな、ああいうのじゃないといけなかったから。あれはカッコ悪いんですよ。抵抗があったんだよね。
塙 じゃあ、もし槙原さんの目がよかったら、200勝はしてたかも?
槙原 それはよく言われます。僕はね、送りバントができなかったから。桑田(真澄)とか斎藤(雅樹)って、送りバントもうまいし、自分でヒット打ったりするから、代えられないんですよ。
僕は打席が回ってきても打てないし、大事なとこで送りバントを失敗するからね。シーズンで、送りバント1回しか成功しなかったこともあるくらい。
塙 DH制度を導入してほしかったですよね。
槙原 そうそう。僕、本当はパ・リーグに行くべきだったんだよ(笑)。
※『プロ野球そこそこ昔ばなし』はAmazonプライムビデオにて毎週金曜0時に各話配信中。MC:ナイツ、進行:吉田明世、レギュラーゲスト:金村義明