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照ノ富士が語った「俺が『完全断酒』に成功するまで」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.01.15 06:00 最終更新日:2020.01.15 06:00
2019年三月場所での復帰前は、角界で1、2を争う大酒豪といわれた照ノ富士。だが、お酒は「もう9カ月、一滴も飲んでいません」という。これで病気も完治させた。“完全断酒” のために見つけたのが、スマホを使った新たな趣味だ。
「景色のいいところに行って、それをインスタにアップしたり。九州で場所があったら、その付近で(絶景スポットを)探します。観光というのかな、それが楽しみになっている。
ただ、今場所前だけは、上の番付に向けてのトレーニングで、そんな暇がなかったね」
今場所の十両の土俵に向けて、急ピッチで体を仕上げた。
「『人の3倍努力する』と決めて、鍛えてきました。正直言って、『元大関なんだから戻ってきて当たり前』と、まわりから見られるのは嫌です。いまも自分が満足できる相撲の動きを、1日じゅう考えている。夢に出てくるくらい。
あとは、もう少し “クレイジー” にならないといけないかな。昔は土俵に上がると『こいつを食ってやろう!』と、もう頭に血が回っちゃう感じ。鳥肌が立って、勝負に徹していた。そうじゃないと、相撲は取れませんから。
いまの気持ちは『できるだけ、やれるところまでやる』。どんな大横綱や大関でも味わっていない、楽しさや苦しみを味わった。それをプラスに感じて、相撲人生を2度楽しむ感覚でやっていきますよ」
幕下に落ちてからは場所中、上位の取組は見なかった。
「なぜって? 見ると焦っちゃうし、悔しくて泣いちゃうから。2年近く見ていません。最近出てきた関取には、知らない人もいますね。見た瞬間に『おっ、これ誰?』と言ったこともありました(笑)」
照ノ富士の両膝には、サポーターがまかれていた。「少しずつ怖さは取れてきた」と本人も手応えを感じている。いざ、復活へ。幕内という、最高の “景色” は、すぐ目の前にある。
(週刊FLASH 2020年1月28日号)