学生相撲の名門、東京農業大学の出身。2年生で学生横綱になるなど、もともと将来を嘱望された存在だ。東農大といえば、2019年には、大学相撲部の後輩で、部屋の弟弟子にあたる豊山(26)が結婚した。先輩もそろそろ?
「いやいや、自分はまだまだ。自分ひとりのことだけで精いっぱいです。もうひとりを守る余裕なんてないし、出費も増えちゃうし、自分の時間も、なくなっちゃうじゃないですか」
“自分の時間” は何を?
「ひたすらグータラしてますねえ。Amazonのプライム会員なんで、買い物はそれですんじゃうし。動画が見放題のプランを契約して、ずっとYouTubeを見てます。
好きなのが、バイクの動画。新しいバイクを試乗したり、ツーリングしたり。あとは大食いの動画。自分で料理から全部やるユーチューバーがいるんですけど、これがすごいんです。ラーメンなんか、豚骨を3日かけて炊いたり。そういうのを、ずっと見てます」
ところで、気になっていることがひとつ。ウィキペディアで、「好きなタレントは西内まりや」になってますが、まだ変わってないですか?
「それ、かなり古い情報ですよ。今好きなタレントさんは、コスプレイヤーの “えなこ” さん。かなり有名な人なんですよ。
もうひとりは、女優さん。巡業はバス移動なんですが、ずっとDVDが流れてるんです。それが、『釣りバカ日誌』。もう、それを観てから大好きになっちゃったんですよ、広瀬アリスさん。この記事が出たら、ウィキペディアも書き換えてもらえますかね」
三月場所は、3年ぶりの三役復帰。11勝、13勝ときて、三月場所の成績次第では、五月場所に大関獲りの可能性もある。
「大関ですか? う~ん、先のことは考えても仕方ないですからねえ。まあ、朝乃山が上がってくれますよ。自分は怪我なく、長く相撲を続けられたら、それだけでいいです。三役では、まだ勝ち越しがないんで、まずはそこでしょうね」
大関獲り宣言の期待は、さらりとかわされたが、この “とらえどころのなさ” こそが持ち味。発言はネガティブでも、相撲はポジティブ。飄々と、だが力強く、“火の国の男” が行く。
正代直也/しょうだいなおや
1991年11月5日生まれ 熊本県出身 時津風部屋所属 183cm171kg 2014年、東京農業大から角界入り。2016年1月、新入幕。最高位は2017年1月と2020年3月の関脇。得意技は右四つ、寄り
写真・舛元清香
コーディネート・金本光弘
(週刊FLASH 2020年3月17日号)