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浅野温子から古手川祐子まで……あの有名女優たちの「ベッドシーン」大全(1970〜80年代編)
バラエティFLASH編集部
記事投稿日:2016.08.27 19:00 最終更新日:2019.10.07 18:49
「1980年代、『自立した女性』が主人公の作品が増えてきました。これは1970年代からウーマンリブが叫ばれ、女性の自立がテーマの映画がハリウッドをはじめ、世界的に広がった影響です」
こう語るのは映画評論家の森直人氏。男性本位の恋愛映画だけではなく、女性の視点から描く作品の登場により、ベッドシーンのあり方にも変化が出てきたという。
「客受けを狙った『商業的な濡れ場』やヌードシーンではなく、等身大の女性、生活の一部としてのSEXシーンが登場しました。桃井かおりさんの『もう頰づえはつかない』(1979年)や室井滋さんの『風の歌を聴け』(1981年)などが象徴的ですね」
濡れ場の撮影に欠かせないのが前貼りだ。映画ライターのモルモット吉田氏は「当時の映画界では有名」な逸話を明かしてくれた。
「通常、女優さんは前貼りをつけるものですが、石田えりさんは前貼りという存在を知らなかった。『遠雷』(1981年)では何もつけておらず、その場にいた皆に見られていたそう」
前出・森氏によれば、血気盛んな学生運動の終焉で「シラケている若者」「アンニュイな恋愛」など、映画界で「若者のリアル」がよく描かれたのもこの時代の特徴だという。
1988年の『花園の迷宮』に出演した島田陽子が言う。
「皆が力を振り絞った思い出深い作品です。私にとっては初のオールヌードでのラブシーンがありました。決心がつかないまま撮影は始まり、悩み苦しむ私に、一通のノートが届きました。
急遽代役で入られた、内田裕也さんからでした。『あなたの気持ちはよく理解できます。ひとつ自分からのコメントをさせてください。あなたが女優としてオールヌードになり演じたとしても、あなたの品位に影響することはないでしょう』と。
プロに徹して演技も自分もさらけ出す覚悟を突きつけられた作品です」
【1970年代~80年代映画史に残る情熱ベッドシーン】
●多岐川裕美『聖獣学園』(1974年)
シスターの自慰や同性愛など、背徳のセクシーバイオレンス映画
●江波杏子『告訴せず』(1975年)
選挙の裏金をめぐるサスペンス。江波の艶っぽい色仕掛けが見もの
●竹下景子『祭りの準備』(1975年)
正常位で喘ぐ竹下のベッドシーンと背中を這う指の動きが話題に
●森下愛子『サード』(1978年)
女子高生役の森下が学校での初体験や売春、若者の性を描く名作
●いしだあゆみ『闇の狩人』(1979年)
暗殺組織に助けられ頭の妾に堕ちたいしだは死んだはずの夫と……
●桃井かおり『もう頰づえはつかない』(1979年)
「シラケ世代」女子大生の恋愛劇。特有のアンニュイなSEXも
●山口果林『海潮音』(1980年)
日本海の田舎町、迷い込んだ記憶喪失の女に夜這いをかける
●萬田久子『夏の別れ』(1981年)
ヨットの中で情熱的なSEXをするモデル役を妖艶に演じた
●かとうかず子『なんとなく、クリスタル』(1981年)
ディスコで知り合った男と「なんとなく」Hしてしまう女子大生
●浅野温子『スローなブギにしてくれ』(1981年)
米軍ハウスで男2人女1人の奇妙な共同生活。美バストが拝める
●石田えり『遠雷』(1981年)
都市化する農村の青春群像。ビニールハウスでの交わりが印象的
●室井滋『風の歌を聴け』(1981年)
大学生のモラトリアムな恋愛事情。主人公の恋人役でバスト見せ
●美保純『ピンクのカーテン』(1982年)
自慰行為や近親相姦など、ヌード満載のロマンポルノ作品である
●秋川リサ『探偵物語』(1983年)
女子大生との探偵ドラマ。松田優作との激しい情事が見どころに
●松坂慶子『人生劇場』(1983年)
経験の少ない相手をリードする。ねっとりとした絡みが見られる
●小柳ルミ子『白蛇抄』(1983年)
美しい後家に溺れる住職。半身不随になっても体を求めてしまう
●芦川よしみ『暗室』(1983年)
吉行淳之介原作の文芸エロス。女同士の“69”を覗く官能作家
●夏木マリ『北の螢』(1984年)
北海道開拓時代の愛憎劇。男を足で引き寄せる豪快な濡れ場が
●洞口依子『ドレミファ娘の血は騒ぐ』(1985年)
恥じらい研究の実験台にされたヌード姿の洞口は一見の価値あり
●古手川祐子『春の鐘』(1985年)
清純派女優だった古手川が北大路欣也相手にラブシーンを演じる
●原田貴和子『彼のオートバイ、彼女の島』(1986年)
バイクで旅する青年の青春映画。健康的な裸体が露わになる
●原田美枝子『火宅の人』(1986年)
妻子ある男が若い女との情事に耽る。苦悶する表情や声も官能的
●河合美智子『恋人たちの時刻』(1987年)
アートモデルを演じたため、作品の冒頭からヌードを全開にした
●倍賞美津子『女衒 ZEGEN』(1987年)
明治末期、実在した女衒の半生を描く。娼館の女将役を
●かたせ梨乃『肉体の門』(1988年)
終戦直後の東京で娼婦として生きる女を演じ、美乳を披露
●工藤夕貴『ミステリー・トレイン』(1989年)
18歳となり初ヌード。一糸まとわぬ姿で永瀬正敏との濡れ場を
●七瀬なつみ『桜の樹の下で』(1989年)
津川雅彦が岩下志麻と娘役の七瀬と禁断の関係に。白肌が美しい
(週刊FLASH 2016年8月9日号)