はあちゅう＆しみけん「家族会議」2度のマタニティブルー

 

　はあちゅうと、しみけん。活躍する業界もファン層も違う異色夫婦が、「これ、どうする？」「あれ、どう思ってる？」を赤裸々に語り合う本誌連載「家族会議 議事録」。第3回の始まりです。

 

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しみけん「そろそろ出産予定日が近づいてきたね」

 

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はあちゅう「女性が妊娠すると、精神的にけっこう不安定になったりするけど、男の人は、なかなかわかってくれないよね。私も、精神的に不安定になったことが2回あったよね」

 

しみけん「精神……不安定？　ほんと？」

 

はあちゅう「気づかなかった？（笑）　いまは妊娠糖尿病で食事制限が大変だけど、初期は『食べづわり』で食事にすごく支障が出てたんだよね。『これは食べられない』『これしか食べたくない』『いままで食べていた量を一気に食べられない』って。

 

　量が食べられないぶん、とにかくご飯の1回1回が貴重なんだよ。それであるとき、めちゃくちゃ吟味して、サーモンのお寿司をウーバーイーツで注文したら……」

 

しみけん「あれか（笑）」

 

はあちゅう「朝からあんまり食べられなくて、やっと夜に胃が開いて、『待望のご飯だ！』ってすごく楽しみにしてて。『届いたよ』ってけんちゃんに見せたら、『美味しそう！』って、止める間もなく半分以上食べちゃった。その後、いいレストランで会食だったのに」

 

しみけん「泣いてたね、はあちゅう……」

 

はあちゅう「『私には、今日これしか楽しみがないのに！』って、悲しくなっちゃったの。でもけんちゃん、妊婦が情緒不安定なのをわかんないから、『こんなことで』って戸惑ってた」

 

しみけん「『また注文すればいいじゃん』って思ったけど、はあちゅうの言い分もわかるから、その後、謝ったよね」

 

はあちゅう「ちゃんと、私の機嫌を直してから出かけてくれたのが嬉しかった。普通の人だったら、『なんだよ、寿司くらいで泣きやがって』って逆ギレして、怒って出かけちゃうと思うの。あそこから私を笑わせてくれるのは、すごいよ」

 

しみけん「言い分を聞いてほしかったんだよね」

 

はあちゅう「そう。聞いてもらうだけで気持ちがスッキリするから。目の前の出来事としては、『サーモンのお寿司を食べられた』だけだけど、そこには私が楽しみにしてきた思いと、つわりのつらさが蓄積されてたの。

 

　そういうとき、ちゃんと私の言葉が出てくるまで待っててくれるのが、けんちゃん。そこはありがたいと思ってる」

 

しみけん「もうひとつの情緒不安定は？」

 

はあちゅう「私が『家をキレイにして！』って爆発したやつ」

 

しみけん「あれか！　僕、プロテインとかサプリメントとか、水とかコーヒーを大量買いするんです。たくさん買わないと、送料が無料にならないから。

 

はあちゅう「そのせいで、台所の半分がプロテインとサプリメントで埋まって、鍋がしまえなくなったの。『これ全部飲みきれるの!?』って私が爆発した」

 

しみけん「で、僕はボディビルダーの後輩をすぐ呼んだの」

 

はあちゅう「彼らにプロテインをあげて、ゴミも全部出して、解決してくれたよね。これもサーモンのお寿司と同じで、問題を先送りにしないで、すぐ解決策を出してくれたのが嬉しかった」

 

しみけん「妊娠中の喧嘩って、その2回だけじゃない？」

 

はあちゅう「結婚してから数えても、喧嘩はその2回だけじゃないかな。その2回を、2回とも私がSNSで書いたから、どっちもネットニュースになってた。『はあちゅうとしみけん、離婚間近』って（笑）」

 

しみけん「でも、SNSで発信するのは、精神安定剤的にもすごくいいと思う。ストレスは不満として溜まるけど、溜まったものは外に出さないと空にならないでしょ。

 

　よくストレス発散と称して、食べたり買い物したりする人がいるけど、吐き出してないから空にはなってないんだよね。ストレス解消には『入れる』のではなく『出す』作業が必要！」

 

はあちゅう「そうだね。SNSでの発信も、『出す』のひとつ。自分の目線だけで不満を並べると、そこには相手の言い分が含まれてないから、どうしても不公平になりがち。

 

　でもコンテンツにすると、コメントやレスという『他人の目線』で事態を客観視できるし、自分の考えも深めていける。冷静になれたりもする。

 

『こういうことがあった』と書き留めておくことで、それに対する解決策もストックされていく。SNSに書くと、いろいろ言われたりもするけど、いいことも多いの」

 

しみけん「言語化するのは大事」

 

はあちゅう「『どんなことで喧嘩するんですか』と聞かれたとき、『いつも些細なことだよね～』と、お茶を濁して具体例が出ないのはよくないと思うの。それって喧嘩の原因が解決されてないってことだから、きっとまた同じことで喧嘩する。

 

　私の場合は『サーモンのお寿司とプロテイン』って即答できる（笑）。そして、その2つはもう解決しているので、二度と同じことでは怒らない」

 

しみけん「とはいえ、『寿司くらいでなんだよ』って思う男性陣におすすめの曲が、SEKAI NO OWARIさんの『Dragon Night』」

 

はあちゅう「そう！　私にはサーモンのお寿司で泣くだけの理由があるんだよ！」

はあちゅう
1986年、神奈川県生まれ　慶應大学在学中より、ブロガー活動を開始。会社員経験を経て、2014年、フリーに。ブログ「旦那観察日記」で、夫婦生活を鋭意発信中

 

しみけん
1979年、千葉県生まれ　1998年にAVデビューし、出演本数は約1万本の現役AV男優。最新刊『しみけん式「超」SEXメソッド』（笠倉出版社）が8月29日に発売予定

 

取材＆構成・稲田豊史

（週刊FLASH　2019年9月10日号）