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戦国武士の「国盗りセックス」処女は重要ではなかった
バラエティFLASH編集部
記事投稿日:2020.01.26 20:00 最終更新日:2020.03.03 19:07
戦国時代の女には、現在とは異なる価値観で生きることが求められていた。子宝に恵まれない姫は存在価値を見いだしてもらえない厳しい時代だった。
武将の娘として生まれると、政略結婚の道具となり、平均結婚年齢は14~17歳。見知らぬ相手に嫁ぎ、子供を産むことを強いられたのだ。
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戦国時代を代表する姫、織田信長の妹で絶世の美女といわれた市。その娘たち茶々、初、江の浅井三姉妹も例外ではない。実家の命運をかけて姫たちは望まぬ相手と結婚や離婚を繰り返し子作りに励んだ。夫を満足させてセックスの回数を増やし、子を得るために努力した。
姫たちが体験したセックスとはいかなるものだったのだろうか。
まず、当時の貞操観念をみてみよう。イエズス会の宣教師ルイス・フロイスが著した『日本史』には貞操観念についての記述がある。
フロイスいわく「日本の女性は処女の純潔を少しも重んじることなく、処女でなくても名誉を失わなければ結婚できる」と記している。当時は「相手が処女かどうかはどうでもいい」という意識だった。
つまり、処女=純潔という考えがなかったのだ。のちに処女性が重視されるようになる背景には、「貞操」を未婚女性の最高の栄誉としたキリスト教の伝来があった。
処女性が重視されていなかったため、個人の自由で離婚することができた。離婚調停や民法もなかった戦国時代では「夫が妻を意のままに離縁できるが、妻の名誉はそのことで失われないどころか再婚もできる」とフロイスは述べている。
処女信仰もなく、何度も結婚して構わない風潮が戦国時代にはあった。そのため、姫たちはさまざまな男性と人生を共にしたのだ。
■戦国時代のプレイは言葉責め
では、戦国時代のセックスでは具体的にどのようなプレイをしていたのか。数少ない資料のなかで、「医聖」と称された医師・曲直瀬(まなせ)道三の記した『黄素妙論(こうそみょうろん)』に当時の性の奥義ともいうべきテクニックが記載されている。
内容は性の教科書となっているが、当時の武将のセックスは「房中術」と呼ばれ、なんと子作り以外にも健康法として紹介されている。
まず、テクニックや快楽の前に「時と場所」を選ぶべし! としている。セックスを避ける日としては、天気が悪い日、日食、月食、端午の節句、春分、秋分。神聖な場所、トイレでのセックスは避けるようにとしている。特に理由は書いていないが、ゲンをかついでいたというところか。
いざセックスとなると、さらに具体的で細かい指示がなされている。
「男女ひそかに対面し物語などするに俄(にわか)に女のおもて赤くなるは心中に淫事の念きざすしるし也」
現在のように前戯で濡らすような真似はせず、あくまで言葉責め。エッチな話をしていて女の顔が赤くなったら淫らな妄想で濡れている証しだというのだ。
ただし言葉責めで濡らしてもすぐ挿入はしない。
「其時男子の玉茎を女人の玉門にあてがふべし」
つまり、入口に陰茎を置いて焦らすのだ。そのうえで挿入しても「ゆるゆると玉茎を出入すべし」としている。
その後も激しい性行為は推奨せず、深く突き入れてゆっくり左右に動かすようにと指南している。ペース配分の目安としては八深六浅(挿入後に8回呼吸してから浅く抜いて6回呼吸する)であったことからも、今でいうところのスローセックスであったことがわかる。
ただし、あまりに浅い入れ方だと女性が十分に快感を得られないので注意するようになど、女性の側に立った意見も述べられている。
フィニッシュの作法にも注文がある。「接して漏らさず」。
これは射精をしないのではなく、なるべく長く膣内に陰茎を留め、快感を共有する意図も含まれている。また、射精した精子をなるべくこぼさず、子を授かる確率を高めようとしている。
これが戦国のセックスの作法だ。武将たちは書物等を読み、姫たちには嫁入り前に性経験のある乳母などが口述して教えを授けていたという。
戦国時代の行為は丁寧だったのだ。
以下、ポイントをまとめておこう。
●耳元で甘い言葉をささやく
戦国のセックスでは「言葉責め」が基本。女性が顔を赤くしたときが心の中で「感じて」いる証拠、と説かれていた
●腰はゆっくりと動かす
挿入前は女性の局部に当てて焦らす。挿入後は深く突き入れて左右にゆっくりと動かす。浅すぎると女性が感じないと注意されていた
●女性の腰は浮かせる
女が腰を浮かせているのは、中で出された精子をこぼさないため。戦国の姫は世継ぎを産むことが最重要任務であった。なお、全裸でも腰巻は身につけた
●お香を焚いてムードを盛り上げる
行為の前は香炉を焚いて気分を盛り上げる。また煙草(二つ折りの入れ物の中身)も事に及ぶ前に吸っていたという
文・丸山ゴンザレス