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田中眞紀子応援の声も…文科省が量産「トホホ大学」の実態
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2012.11.14 07:00 最終更新日:2016.03.01 22:49
秋田公立美術大学、札幌保健医療大学、岡崎女子大学の3大学の設置認可をめぐる騒動は、9日、田中眞紀子文科省が「心からお詫び申し上げます」と謝罪して、ひとまず落着した。しかし、大学の設置基準は、およそ10年前の小泉内閣の規制緩和で大幅に緩くなっており、今ではほとんどザル状態で認可されるようになっているという。
「文科省の後輩たちと話すと『眞紀子よ、よくぞ言ってくれた』という声が圧倒的なんです。大臣としての資質はともかく『大学の数が多すぎて教育の質が落ちている』という指摘は正しい。そのことは文部官僚自身がいちばんわかっているんです」(元文部官僚で京都造形芸術大学教授の寺脇研氏)
18歳人口が減りつづけるいっぽうで、日本の4年制大学の数は’92年の523校から現在の783校にまで増えつづけてきた。そして今春の入試では、私大の46%が定員割れとなった。その結果、全国に大学の名に値しないようなトホホ大学が急増中だ。日本国内の4年生大学すべてを訪問した大学ジャーナリストの山内太地氏がその実態を明かす。
「中部地方のある大学では、学内で金銭トラブルが起きているとして、『カツアゲ禁止』という”校則”があります。学食の前に喫煙所があるんですが、そこにヤンキーたちがたむろしているんです。まるで不良高校ですが、まじめな学生はカツアゲを恐れ、どんどん中退していきます」
学生たちの学力レベルも信じられないほど低下しており、ある理工系の大学では高校を定年退職した先生を雇って、職員室で高校の数学や理科を教えているという。大学生なのに高一のレベルに達していないのだ。
こういう大学はもはや珍しくないという。質の低下は学生だけではなく、関西の大学では、人気の看板教授が愛人を准教授にしたケースもあった。そして多くの大学が、定員割れで経営の危機にさらされている。
「やむなく、中国をはじめとする海外留学生を大量に受け入れているんです。3年前に開校した日本経済大学の渋谷キャンパスは、9割が中国人留学生だと話題になりました」
同大学に確認してみると、「開校当初は日本人が約50名に対し、海外留学生が約800名、そのうち中国人が約650名でした。その後、尖閣問題もあって留学生は減り、来年4月の入学者は日本人が約100名、留学生が約300名、うち中国人留学生が220~230名となる予定です。中国人が9割というのはオーバーで、6割程度です」とのことだった。
(週刊FLASH 2012年11月27日号)