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北朝鮮の「金正男」はなぜマレーシアで暗殺されたのか

社会・政治 投稿日:2017.02.15 16:09FLASH編集部

北朝鮮の「金正男」はなぜマレーシアで暗殺されたのか 

 

 北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏が、マレーシアのクアラルンプール空港で暗殺された。金正男氏は、故・金正日総書記の長男で、金正恩氏(朝鮮労働党委員長)の異母兄。

 

 正男氏は、家族が住むマカオに出国しようとしたところ、北朝鮮の女性工作員2人から毒液スプレーをかけられた(毒針説も)。ロイター通信は、マレーシア警察を取材して、「金正男は後ろから顔を引っ張られるような感じで、めまいを感じた。空港診療所に移されたが、病院に搬送する救急車の中で死亡した」と報道している。

 

 現在、遺体は市内のプトラジャヤ病院に安置されている。北朝鮮は遺体の引き渡しを求めており、その処遇に注目が集まっている。

 

 金正男氏の家族はマカオに住んでいるが、正男氏自身はシンガポールに長く隠れ住んでいたと言われる。北朝鮮は5年以上前から暗殺計画を進めていたが、正男氏はシンガポールを離れても安全だと判断、最近はしばしばマレーシアに滞在していたという。

 

 それにしても、なぜ正男氏はマレーシアで暗殺されたのか。朝鮮日報によれば、北朝鮮とマレーシアは相互ノービザで入国可能なため、北朝鮮の工作員が自由に入出国できる。そして、北朝鮮の対韓国工作を統括する偵察局のサイバー部隊が、マレーシアに設置されているという。つまり、暗殺するには最適の場所だったのだ。

 

 マレーシア警察は、金正男氏の偽造パスポートに「キム・チョル」という名前が書かれており、1970年6月10日平壌生まれとあったと発表(実際の生年月日は1971年5月10日)。

 

 かつて正男氏が東京ディズニーランドに行くため、日本に密入国したときは、ドミニカのパスポートで「胖熊」という中国人の名前だったとされる。

 

 長い間、偽の名前で生きてきた正男氏。その最期はあっけないものだった。

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