社会・政治社会・政治

森喜朗、83歳 “暴走老人” に菅首相は「ま、しょうがねえよな」と責任回避の姿勢

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.02.09 06:00 最終更新日:2021.02.09 06:00

森喜朗、83歳 “暴走老人” に菅首相は「ま、しょうがねえよな」と責任回避の姿勢

 

「静かに火が消えるのを待つしかないな」

 

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は、“女性差別発言” をめぐる会見後、周囲にそう漏らしたという。

 

 森氏の発言は、日本国内はおろか世界中から猛批判を浴びた。元JOC国際業務部参事で、1998年の長野冬季五輪招致に関わった、スポーツコンサルタントの春日良一氏は、「ご自分から辞められたほうがいい。そうしないと、東京五輪開催が危ぶまれる」と憂慮する。

 

 

「森会長の発言には、世界に向けて発信している意識がまったくない。日本はジェンダーの問題について、国際的には意識が低いと見られています。そんな国の五輪組織委のトップが、女性を蔑視する発言をしたわけです。

 

 すでに、各国のオリンピック委員会の女性委員や選手が抗議の声を上げています。森会長の発言は、東京で五輪を開催する価値を下げてしまった。会長を交代させなければ、世界が納得しませんし、IOCの権威にすら傷がつきかねません」

 

 当の森氏本人は、地元・石川県の『北國新聞』のインタビューで、こう話している。

 

「(発言後に)辞めようと思ったが、武藤敏郎事務総長や遠藤利明会長代行に翻意を促された」
「女房には辞めるよと言って家を出てきた」

 

 だが、世界中から嘲笑されても、なぜ森氏を会長に据え続けなければならないのか。そこからは、菅義偉首相(72)の森氏を利用したい思惑が浮かび上がってくる。

 

「五輪にはIOCのみならず、複数の官庁、スポーツ競技団体など多くの組織の利権が絡む。コロナ禍でまだまだ折衝が必要なのに、開催まで半年を切ったいま、“新会長” にゼロから関係を作らせる余裕はない。

 

 しかもある官邸幹部は、『ここで森さんが辞めたら、五輪開催が本当に難しくなる』と話していたが、菅総理も世論が五輪中止に傾くことを危ぶんでいる。五輪を開催できるかどうかは、2021年秋に控えた解散総選挙にも、確実に影響が及ぶからね」(自民党幹部)

 

“暴走老人” の失言には呆れるばかりだが、そんな森氏を担ぐ菅首相の「人徳」にも首を傾げたくなる。自民党のある文教族議員は、こう話す。

 

「森さんは、2020年東京五輪招致を政界でもいちばん早く言いだして動いてきた。長年、政界とスポーツ界の競技団体を国内外で結びつける “顔役” ともいえる存在なんです。

 

 ああ見えて森さんは、親分肌で面倒見がいい。多くの議員や秘書、官僚からの頼まれごとを引き受けながら、飲ませて食わせてきた。世話になった永田町の人間は多いんです。

 

 一方で、無派閥が長い菅総理は、そんなことは、ほとんどしないタイプ。森さんに世論の非難が集中しても、義理立てする縁もないし、『矛先がそちらに向いた』と、むしろありがたがってるんじゃないんでしょうか」

 

 森氏の “女性差別発言” 直後の5日、国会での質疑を終えた菅首相は、側近議員にこう呟いたという。

 

「ま、しょうがねえよなあ」

 

 森氏を盾にして、日ごとに度合いを増す政権批判を逸らしたい意図もあるのか――。政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、こう指摘する。

 

「新型コロナ対策での広報を西村康稔氏に丸投げし、ワクチン接種体制の整備を河野太郎氏にまかせたのと同じです。“森さんが続けたいなら” という態度を取ることで、自分の責任を回避したいのでしょう」

 

 政治に振り回されてきた近代オリンピック。悲劇は繰り返す――。

 

(週刊FLASH 2021年2月23日号)

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

社会・政治一覧をもっと見る