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人事部長が覆面で告白「こんな部長はすぐに飛ばす」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.05.09 16:00 最終更新日:2016.05.09 16:00

人事部長が覆面で告白「こんな部長はすぐに飛ばす」

写真:AFLO

 

 人事部の権限が及ぶのは部長人事止まり。役員人事は経営トップの専権事項だが、その前に“トンデモ部長”の芽を摘んでおくのが人事部の重要な役割だ。

 

 もっとも部長にしたくないタイプは、部下の犠牲の上にあぐらをかいている人だ。

 

 IT企業の人事部長は「部長の役割は課長の失敗を尻ぬぐいできる人。課長の手柄をさも自分の成果と吹聴し、課長の過失を棚上げして責任逃れするのは許さない。少しでもそういう部長がいたら降格させるか地方に飛ばす」。

 

 建設業の人事部長は部下を潰す成果一辺倒の部長は外すようにしていると語る。

 

「過去に自殺した課長がいた。上司の部長に心当たりはないかと尋ねたら『何も知らない』と言う。調べたら、部下にかなり厳しいノルマを課すなど、職場も相当疲弊していたらしい。社長に進言し、降格して子会社に飛ばした」

 

 食品業の人事部長は、部長に関しては独自の情報を仕入れて降格や左遷の判断をしていると語る。

 

「『部下や同僚、上司の多面評価』『部署のストレス診断』『職場の残業時間』の3つで適性を判断している。多面評価とストレス診断を見れば、職場の雰囲気やどんな部長なのかだいたいわかる。残業時間は少なくとも部員の平均で50時間を超えていれば部長失格。部下評価が低く、ストレスが高ければ、即交代させるようにしている」

 

 IT企業の人事部長は厳しい指摘をする。

 

「人柄はよくて真面目なんだが、私から言わせれば『無能で真面目なやつ』は不要。間違ってもいいから自分の意見を持たないと。うちの会社は、これをやりたいと言えば、やらせてみて、成功すれば出世するという社風がある。部長時代に役員とケンカができるぐらいの度量のある人でないと役員にはなれない」

 

 ケンカといっても議論ができる人のこと。逆にキレやすい人は危なくて役員・部長にはできない。精密機器メーカーの人事部長は「喜怒哀楽はあってもいいが、突然キレる人がいる。 感情の起伏が激しい人は必ずといっていいほど部下を殺すか、突っ走って手痛い失敗をする。そういう人間に経営はまかせたくない」と指摘する。

 

 経営者は役員人事に関しては業績優先で決めたがる傾向がある。

 

 ある製薬会社の人事部長は「もう1、2年経験を積んでから役員にしてはと進言するが、社長は自分自身の在任中の業績を上げるために定石を無視して登用しようとする。その結果、組織内のバランスが崩れてガタガタになり、失敗した経験も過去に何度かある。

 

 とくに要注意人物は、若いときから『あいつはできる』と評価されてきた常勝型タイプの人間。役員になると失敗するリスクが高くなる」と指摘する。

 

構成/文・溝上憲文

 

(FLASH+増刊号2015年5月5日号)

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