AKB・坂道

【6期生デビュー10周年企画③】SKE48を裏で支える竹内彩姫「6期生はビジネスパートナー」

AKB・坂道FLASH編集部
記事投稿日：2023.03.31 21:02　最終更新日：2023.03.31 21:02

6期生は「ビジネスパートナー」

グループといってもアイドルは孤独だ。そんななかにあって、同期とはどのような存在なのだろうか。6人が挙げたのは「安心感」「信頼」「謎の一体感」そして「ビジネスパートナー」。そして全員が口をそろえたのは、「プライベートはバラバラだけど、仕事ではまとまりが強い」

井田さんが補足する。「お仕事に対してすごく真面目。だからこそ、いろんな意見を言い合えるんですよ。ライブの打ち合わせとかも、ずっと何も言わないコは一人もいなくて、皆が意見を持っています。たんなる仲良しではなくて、仕事のために遠慮なく言い合える関係がプロだなと思います」

当然、初めからまとまりがあったわけではない。きっかけは’17年9月に行われた「AKB48グループユニットじゃんけん大会2017」。SKE48の6期生で出場しようと誰からともなく意見が出て、即座に全員一致で決まった。以後、6期生だけで夏の野外ライブをやり、さらには「Zepp Nagoya」での単独ライブも二度敢行した。SKE48の歴史の中でも、ひとつの期だけでここまで大々的に活動するのは初めてだった。また、6期生が前例を作ったことで、今では他の期においても単独の活動ができるようになった。

「同期だけで何かを達成するとか、ライブをするとか、今までほとんどなくて。それを6期生が見せたことで、後輩たちにもひとつの夢を与えられたことが大きかったかなと思いますね」と北野さんは胸を張る。

6期生の存在について竹内さんにも聞いてみた。奇しくも「ビジネスパートナー」と即答した。

「今までって、本当に仲の良い期もあれば、ライバル意識が強い期もありました。でも、私たちって、仕事ということをちゃんと理解している期だと思っていて。ファンの方が喜んでくれるのが私たちも一番嬉しい、という気持ちが一致した上で活動をしてきた。プライベートで遊ぶことは少ないですが、今でも仕事の相談は同期にしますし、同期からも相談されることもあります。いい意味でビジネスパートナーという言葉がピッタリだなと」

竹内さんが同期の現役メンバーと7人とプライベートで食事に行ったのは、唯一、竹内さんが二十歳の誕生日を迎えた年の忘年会だけである。つかず離れずの関係だからこそ、これだけの人数で10年も一緒に続けることができているのだろうし、10周年記念ライブの実現にもつながったはずだ。

後輩たちのためにも

きらびやかなアイドルの日常を捨てて、新しい世界に飛び込んだ竹内さんの選択は、メンバーにとっても今後の人生の道標になった。鎌田さんは言う。

「彩姫を見て、将来セカンドキャリアへの不安が和らいだコは多いと思います。事務所側が提示してくれるキャリアプランは皆聞いていましたが、その実例があるとないとではだいぶ違うじゃないですか。そこに一歩踏み込んでくれた彩姫の存在はすごく大きい」

自らの意思で動いて今のポジションを掴んだ竹内さんは、きっとアイドルのロールモデルになる。そして何よりも仕事で成果を上げることが、後進の道を切り拓くことにつながる。「一人でもバリバリと働けるようになりたい。そして、もっといろんな仕事に挑戦したい」と竹内さんは意気込む。活躍の場はゼストだけにとどまらない。いつかアイドルのためのサロンを開業してみてもいいかなと微笑む。

「メンバーは美容院やネイルサロンに行く時間が本当になくて。でも、ベストな状態で常にいないといけないのがアイドルだから、ひとつの場所で全部できるサロンがあると便利だなと。そういう形でもアイドルをサポートできたらいいですよね」

小学生のときから何でもやりたい、挑戦したいと思ってきた。竹内さんの好奇心の強さ、まっすぐで純粋な気持ちはあの頃のままだ。

これまでSKE48に在籍したのは現役メンバーを含めて208人。うち150人が卒業した。芸能界に残る者もいれば、大学進学や就職の道を選んだ者もいる。結婚して家庭を築いた者もいる。いくつものステージがある中で、竹内さんは裏方というキャリアを選んだ。それは、自分をここまで育ててくれたSKE48と、いつも一緒にいてくれた6期生たちに恩返ししたい気持ちもあるからだ。

「もっと多くの人たちにSKE48の魅力を伝えられる、架け橋になれたらいいな」

竹内さんの活躍の場は無限大に広がっている。そして、それは多くのアイドルに勇気を与えるものになるはずだ。

取材＆文・伏見学