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本田博太郎、宮藤官九郎も讃えた演技は「ふところの経験」から
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.05.07 06:00 最終更新日:2020.05.07 06:00
「俺には、役作りなんてない。自分の生きてきた経験が詰まった、ふところの中に手を入れて、『今回はこれを使おう』と引っ張り出しているだけだよ」
そう語る本田の演技を、“複雑” で “難解” だと歌ったのが、宮藤官九郎(49)、阿部サダヲ(49)らが参加するロックバンド「グループ魂」の曲『本田博太郎〜magical mystery UPAAAAAAAAA!!!!!〜』だ。
このコミックソングに本田自身が語りで参加していることからも、そのまっすぐさが、ときにユーモラスに受け止められることを楽しんでいるのがわかる。
アース製薬の「バスロマン」のCMでは、娘の彼氏役である生田斗真(35)と、狭い湯船に一緒につかってみせた。
「常に “俳優であります” 的なのは嫌なのよ(笑)。CMで、湯に潜ったのはアドリブだったんだけど、モニターを見ていた監督とスポンサーが吹き出しちゃって、それが使われた。
自分のダメさ加減を出して、素敵に崩れてるのがチャーミングだと思うわけ。80歳で役者やってたら、ぽろっと孤独感がにじむような、素敵なエロジジイになって、またCMに出たいね(笑)」
梅酒を口に運びながら話す本田の表情は、とても柔らかい。その頬がいちばん緩んだのが、父親のことを聞いたときのことだ。
「すっばらしい親父でね。俺が9歳のときに母親が亡くなってから、子供を育てることに懸命に生きてきた。朝起きると、日本手ぬぐいを頭に巻いて、朝飯を作ってくれてね。末っ子の俺が寂しくないように、よく映画館に連れて行ってくれた。
親父の世代が観る映画だから理解できないんだけど、『映画の闇の奥に、すごい素敵な世界があるんだな』って感じちゃった。親父が俺を映画館に連れて行ってなければ、俳優という道を選ばなかっただろうね」
“これでインタビューはおしまい” というように、ジュークボックスに100円玉を足した。
ほんだひろたろう
1951年2月8日生まれ 茨城県出身 高校卒業後、役者を目指して上京。いくつかの劇団に所属後、蜷川幸雄の舞台に出演。蜷川幸雄演出の舞台『近松心中物語』、『ロミオとジュリエット』で、1979年度ゴールデン・アロー賞演劇部門新人賞を受賞。近年は『それでもボクはやってない』(周防正行監督、2007年)、『藁の楯』(三池崇史監督、2013年)などの映画や、『スローな武士にしてくれ』(NHK)、『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系)など数多くのドラマに出演
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※本記事は緊急事態宣言発令前に取材されたものです
(週刊FLASH 2020年4月28日号)