同書で紹介されている数々のダ名言について、上田は「これ、俺に言ってるな」と思うものが多々あると憤りつつ、ダ名言に共感する人がいることに一定の理解を示す。
上:俺らが若者だった時代には、ダ名言とは真逆の、矢沢永吉さんの『成り上がり』とかあったわけじゃない?
浜:いや、「俺ら」っていっても、僕、上田さんの3コ下なんですけどね。僕は、(『成り上がり』は)通らなかったですね。成り上がらなかったです。
上:いや、でも、確かにわかるっていうか、なんだろう……その成り上がりのほうの考え方の人も、これでちょっと楽になるって人もいるだろうし。
ただ、この本には載ってねえけど、こないだ(お前の)ツイッターで腹立つのがあったんだよな。お金持ってるヤツとかじゃなくて、すぐノってくれるテンションのヤツです、みたいな。
浜:あ、『お金なんてそんなに必要ない。必要なのは遊びたいときに、すぐ同じテンションで遊んでくれるヤツだ』。これですかね?
上:そう、それそれ。腹立ったのよ。こいつに、いちばんないものだって。俺が毎回「おまえ、今度の土曜日、何やってる?」って聞くと、「いや、別に空いてます」とか言うんですよ。それなのに、「野球でも観に行こうかと思うんだけど、どう?」と誘うと、「あ~野球すか~」みたいな。
もう、その時点で誘うのやめようってなるじゃないですか。こいつにいちばんない要素なのに、いかにもこれが大事ですっていうわけですよ。それに腹が立ったわ。
浜:いや、上田さん、俺が言う「同じテンション」って、たぶん「高くないテンション」なんですよ(笑)。俺は一緒に木々を眺めていられるようなヤツと遊びたいんです。
上:違う、違う。俺のテンションじゃん。「空いたよ。俺、野球行こうと思うんだけど」って言ったら、そのテンションに合わせるべきじゃん。
浜:なるほど、そういうことですね。
上:それなのに「あ~」だからさ。こいつは、そういうとこしかない。その点に関してはホントにガチの説教したぐらいですから。だから、『ダ名言』を読むたびに、こいつ、俺がキッカケでこれ思いついたなって。
浜:いや、そんなことないですから、ホントに!
浜ロンが上田のドライバーを務めたのは、4年10カ月。当時のことを、上田はこう振り返る。
上:ドライバーやってくれてたあいだ、俺が海外ロケとか行くじゃないですか。そしたら、こいつも一緒についてくる。
ダメだ、ダメだっていうわりに、贅沢なこといっぱい経験してるんですよ。初めて観たアメフトの試合がスーパーボウルとかね。オリンピックも観戦してるし、サッカーのワールドカップも行ってる。パッキャオvs.メイウェザーも……。
浜:そうですね。パッキャオの試合は、2回観てますからね。
上:なのに、なんか上田に虐げられてるみたいな感じのトーンで、この本も書いてるでしょ?
浜:いや、そんなことないですよ。なんならオリンピックの話しか書いてないですよ!
上:嘘つけ(笑)。そういうのに1個も触れないってのは腹立ちますよ。あんな、みんなが経験できないような経験してるのに、そこからは何も学んでいないっていう。
浜:いや、違う、違う。上田さんの名前をなるべく借りないかっていうのが大事じゃないですか!
上:もう借りてんじゃねえかよ! ホント、贅沢なことをいっぱいやってんですよ、こいつは。
浜:そういうのは全部吸収して、こうやってね……。
上:もう何にも生かされてない……。
浜:これじゃ対談じゃなくて、公開説教ですよ(泣)!