魔暦22年(2020年)に、地球デビュー35周年を迎えた悪魔のロックバンド「聖飢魔II」。その創始者にして、初代ギタリストである地獄の大魔王・ダミアン浜田陛下が、10万59歳にして、世界最高齢でメジャーデビューすることが決定した!
ダミアン陛下は魔暦前17年(1982年)12月、早稲田大学在学中に突如として悪魔に覚醒。翌年、大学のバンドサークルにて、聖飢魔IIが現世に侵寇した。その後、魔暦前14年(1985年)2月のミサを最後に、みずからの実父たるサタン44世大魔王陛下のあとを継ぐため、地獄へ帰還(卒業後、教師になるため脱退)した。
なぜ再び、陛下は人間界に顕現したのか。
【関連記事:障がい者にバイクを!伝説の不良バンド「クールス」が世に恩返し】
「世を忍ぶ仮の姿(以下、世仮の姿)では、教師を35年やっていたわけだが、最後に受け持ったクラスは素晴らしい生徒たちで、彼らと一緒に卒業という道を選び、早期退職をした。
晴れて自由の身となり、まるで毎日が土曜日のような生活だったのだ。日曜だと、翌日が月曜で憂鬱になるからな。しかし、そんな生活は1カ月で飽きてしまったのだ」
退職後、ひきこもり状態になったダミアン陛下は、思い悩んだ。そんなとき、目に入ってきたのはギターだった。
「世仮の姿では、軽音部の顧問を14年も務めたのだが、退職するまでの7~8年は、まったく弾いていなかったのだ。
2019年6月ごろ、頭の中にさまざまなイントロやメロディが浮かんでいたので、具現化してみようと考えたのだよ。そうしたらスラスラと、半年間で11曲できた。『これは世に出したいな』と、悪魔寺(聖飢魔IIの所属事務所のようなもの)に相談したのだ」
ダミアン陛下は、あくまでも自作のクリーチャー(楽曲、創作物)を、世間に聴いてもらいたかったのだという。
「私は作詞・作曲・編曲で関わるだけで、私の楽曲を素晴らしいミュージシャンが演奏してくれるのを望んでいたのだが、相談して1カ月ほどで、悪魔寺でバンドメンバーを揃えてくれてな。そうしたら、『ダミアン陛下の近影は必要です』と言われ、いつの間にやらMV撮影にまで発展してしまったのだよ」
外堀を埋められたダミアン陛下は、改臟人間( “悪魔教を伝道するにふさわしい悪魔的に極悪な表現” ができる改臟を施されている)となったメンバーを率いて、「Damian Hamada's Creatures(略名D.H.C.)」を始動。聖典(アルバム)をリリースすることに。
「いつの間にやらバンドができており、やるんだったら序曲も作ろうとなって、最終的に13曲になった。あまりに濃厚でヘヴィな曲が多いので、2枚に分けて出すことにしたのだよ。早期退職直後の自堕落な1カ月から考えたら、私はよく立ち直ったと思う(笑)」
D.H.C.は新進気鋭の女性ボーカリスト、さくら “シエル” 伊舎堂(21)を迎え、バックにはプログレッシヴ・ロック(プログレ)のバンド「金属恵比須」のメンバー5人を加えた。
「最初に見たのが彼女が14歳のときで、『すごい歌い手であるな』と感服したが、今はもっとすごいと思っている。初見を100とすると、今は666(悪魔の数字)だ。『金属恵比須』は、抜群の安定感だ。プログレをベースにしながら、ハードな曲にも対応している」
今後、ダミアン陛下が聖飢魔IIと共作したり、聖飢魔II黎明期の楽曲を演奏したりすることはあるのか。
「聖飢魔IIとのコラボイベントとかフェスとか……もしかしたら、あるかもしれぬな。我々悪魔の生涯は長いので、何が起こるかわからない。だから、否定はできない」
今後のライブ活動予定は?
「現在、ゼウスの史上最大レベルの妨害(コロナ禍)が猛威をふるっておるので、これを乗り越えて、できるだけ早くみんなの耳に生の音を届けたいと思っておる。我々は悪魔なんで、コロナには罹らない。関係ないんだがな」
今後、ダミアン陛下は地球征服へ向けて、新たな道を進む。
「聖飢魔IIの構成員が成し遂げた強固な洗脳を礎とし、人間をさらなる “学習” によって、より悪魔的にしていくのだ。悪魔教会(レコード会社)の協力で、聖典の発表も実現することができる。いつかは、地球を魔界そのものと化してやろうと思っているぞ」
10万59歳にして、さらに信者を増やそうとする大魔王。今後、世界は悪魔の新たなる進撃を目のあたりにするのかもしれない。
※悪魔の聖典『旧約魔界聖書 第I章』魔暦22年(2020年)11月25日発表、『旧約魔界聖書 第II章』魔暦22年(2020年)12月23日発表。ともに【初回生産限定盤】(CD+DVD)と【通常盤】(CD)あり
(週刊FLASH 2020年11月10・17日号)