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ダンディ坂野の変えない美学 人生は「ゲッツ!」とともに

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.11.28 06:00 最終更新日:2020.11.28 06:00

ダンディ坂野の変えない美学 人生は「ゲッツ!」とともに

「ゲッツ!」をやり始めたころの坂野

 

 坂野の代名詞となった「ゲッツ!」。それは偶然の産物だったという。

 

「最初は、舞台で『ライドオン・ゲット!』と言っていたんです。ところが舞台袖にいた芸人たちは、『ゲッツ!』と聞こえる。と言うんです。僕の滑舌が悪かったんですね。

 

 それなら……と、『ゲッツ!』と言ったんですが、スベりまくりで、お客さんの反応はなし。でも、芸人たちは大爆笑。この世界、芸人にウケると売れるといわれているので、『ゲッツ!』にすることにしました」

 

 その後の超多忙ぶりは知られるところだが、世に言う「一発屋」の多くがたどる道を、坂野も経験する。

 

「鬱になるほど忙しかったのに、だんだんスケジュール帳に余白が目立ち始めました。不安ですか? どうなんだろう。あったのかなあ。だけど、暇なら暇の流れに逆らわないようにしていました。もがいたり、暴れたりしたら、もっと沈むと思ったんです。だから、芸風は変えませんでした。

 

 ほかの芸を試してみようかと悩んだときもありましたが、僕は長年かけて『ゲッツ!』を培ってきて、それで拍手をいただいています。新しい芸を始めても、認めていただくには『ゲッツ!』と同じ年月をかけなければならないことに気づき、それは不器用な僕には無理だと悟りました。

 

 それに『ゲッツ!』の芸を変えたら僕はどこにも呼ばれないと思います(苦笑)。『変えない美学』とでもいうんでしょうか。これから出てくる一発屋の皆さんの見本になりたいですね。アハハ」

 

 芸風を変えない坂野は、同様に体型も、デビュー当時と変わらない。

 

「この黄色いスーツのサイズは、マツモトキヨシさんのCM出演時から変わっていません。体型維持には気を遣っています。毎日、腕立て伏せはゆっくり20回、腹筋は早く50回。上半身が引き締まっていると、『ゲッツ!』をしたときの見栄えがよくなります。その逆の意味で下半身は鍛えません(苦笑)。

 

 それと以前、髪が薄くなってしまい、『ゲッツが髪の毛抜けてハゲッツ!』と言ったら、アデランスさんのCMに起用していただけました。そのときに頭皮ケアを教えていただいたので、それを今も、しっかり実践しています」

 

 坂野は、再び「(『ゲッツ!』を始めた)37歳から16年間なんとかやってくることができたので、この流れは変えないほうがいいと思うし変えるのは怖い」と自分に言い聞かせるように、苦笑する。あえて、未来図を聞いた。

 

「芸能界は、サラリーマンの方と違って『定年』がありません。『定年後は好きなことをやるぞ』みたいな区切りが欲しいのかもしれませんが、『はい、これまでよ』と忽然と姿を消したいんです。

 

 とはいっても、矛盾していますけど、時々『今日、舞台に上がる芸人が足りないから「ゲッツ!」をやってください』みたいに声がかかって出演するのが理想です(笑)。

 

 好きで始めたことが仕事として成立しているのは本当に幸せなこと。それが『ゲッツ!』のおかげならずっと『ゲッツ!』を大事にすることにも意味があるのかなと思います」

 

 海鮮チヂミを頬張りながら、笑う坂野。「他力本願ですから」と言うが、じつは努力の人なのである。


だんでぃさかの
1967年1月6日生まれ 石川県出身 2020年は東京メトロの「オフピークプロジェクト」のキャラクターに起用された。憧れの田原俊彦のレコード、CDはシングル、アルバムを合わせて50枚所有する。「ダンディ坂野 だんさかch ダンミュージック音楽出版」にて動画を配信中

 

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写真・伊東武志

 

(週刊FLASH 2020年12月8日号)

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