これまでハードルが高い趣味だった車の改造。それが、今ではショップやパーツの充実もあり、「自分だけの一台が欲しい」という人たちのあいだで流行中だ。愛車のカスタムにハマっている「じゅんいちダビッドソン」とカスタムカーショップに、その魅力を聞いた。
「2年前に購入した僕の愛車、パジェロミニは2007年製です。車体カラーをつや消しのオリジナルにしたかったので、ハケとローラーを使ってDIY塗装しました。
【関連記事:じゅんいちダビッドソンが伝授「冬こそ、男のソロキャンプ」】
塗装前に、ワックスもしっかり落として重ね塗りもしたので、色に深みが出て満足。今は後部をカスタムしています。近いうちにYouTubeにアップしますので、楽しみにしていてください」
じゅんいちは、カスタムカーの魅力を「自分しか持っていない一台という満足感ですね」と言う。
今、軽自動車を「もともとの車種は、なんですか?」と聞かなければわからないほどガラッと変えるカスタムが、40代・50代のあいだで流行している。
「『人と違う車に乗りたい』というニーズが多いのだと思います。軽自動車は車両価格も維持費も手ごろなので、注目されています。
新車をご購入されてカスタムする場合が7割、お車の持ち込みが3割。ご希望で、中古車もお探しします。新しいパーツをつけながら長く乗る方が多いのも、カスタムカー愛好家の特徴です」
そう語るのは、モデストカーズの田中伸幸さん。カスタムする車の前部をほとんど交換するため、それぞれが個性的に仕上がっている。人気は、レトロっぽい雰囲気のカスタムカーだという。
「平均すると、合計のパーツ代は50万円ほどです。ボディカラーにも、こだわるお客様が多いので、全塗装をすることがほとんどですね。全国から注文があり、現在はカスタムに取りかかるまで6カ月待ち。納期はそこからおよそ1~2カ月ほどかかっております」
アメリカンなカスタムカー作りで人気のショップが「ブロー」。パーツを作成するワンオフにも対応してくれて、大型バイク・ハーレーダビッドソンのウインカーを流用する、という離れ業も見せている。同社の中澤慎さんも、「お仕事をリタイアされたご夫婦などが、よくお見えになります」と最近の傾向を語ってくれた。
「カスタムにこだわると、車両価格以外に100万円近くかかることがありますから、どうしても生活に余裕ができた年代のお客様が多くなるようです。購入後は、お客様ご自身が内装をカスタムして、楽しんでおられるようです」(中澤さん)
軽キャンピングカーまでは必要ないが、車内泊はしたいというニーズも取り込み、ジムニーなどのカスタムで人気の「ダムド」。ホンダのN-VANをベースにした「デナリ」「マリブ」を発売している。
「『カスタムカーは初めて』というお客様が、ご興味を示されています。助手席と後部座席を倒せばフルフラットになるので、そこにウッドフロアキットを敷けばベッドになります。リアウインドーには、ウッドパネル。棚などをDIYで取りつけることもできます。ミニスクリーンを置いて車内シアターにしているお客様もいらっしゃいます」
そう語るのは、同社の徳田亮介さん。パーツを個別購入できるのも嬉しい。カスタムすると、必要な手続きなどはあるのだろうか。
「車体の全長・全幅・高さが車検証の表示と同じなら、構造変更の必要はありません。しかし法律が変わることもあるので、カスタムはショップに依頼することをおすすめします」(前出のモデストカーズ・田中さん)
車検はディーラー系では受け付けないことがあるという。
「なかには杓子定規に改造車とするディーラーもありますが、民間整備工場は問題なく受け付けます」(自動車ライター)
「世界に1台」のカスタムカー。いかがだろうか。
じゅんいちだびっどそん
1975年2月4日生まれ 兵庫県出身 YouTubeチャンネル『ちゃんねるダビッドソン』で、キャンプ動画を不定期配信。キャンプオンラインサロン「じゅんいちダビッドソンのキャンプ村」を運営している
写真・岩松喜平
(週刊FLASH 2020年12月8日号)