●30年で培った、「2つの哲学」とは?
音楽の流行も目まぐるしく変化するなか、一貫して同じスタンスを保つ3人。ズバリ、その哲学とは?
B「みうらじゅんさんが、『スチャダラパーって嫌だな。なんかいつも文句ばっか言ってて。でも、そこがいいんじゃない』って言ってくれて(笑)」
S「そういうことなんだよね。あと、『バカなことやってると思うだろ? でもやるんだよ!(笑)』」
B「そう! それは、漫画家の根本敬さんの言葉ね」
S「哲学っていうとアレだけど、まあ、大きくはそのふたつかもしれない」
30年間、解散や引退が頭をよぎったことは?
S「ないなあ」
B「『呼ばれなくなったら、やめればいい』と思ってるけど、ギリギリ呼ばれてるからね」
A「最初から、目標がいっさいない。『東京ドームでやるぜ!』とか、まったくない(笑)」
B「そもそも必死にやってないから、喧嘩もない。SHINCOが曲作ってきたときに、『こっちのほうがいいんじゃない? とか、ANIの歌詞がひどすぎる!』とかは常にあるけど(笑)」
A「ひどいんじゃない。内容が深くて理解できないだけ」
B「『読みきれてねえな~』って? 思ってんだ(笑)。ANIはとくに、世間的に見てもトップクラスのサボリ魔なんですよ」
A「楽して儲けるスタイル」
B「もっとモテたい! でも頑張りたくない」
最後に、カッコいい中年オヤジになる秘訣をアドバイス。
A「頼まれてもないのに、やりたくなることを見つけること。それは、きっと自分にとって、楽しいことなわけじゃない?」
B「誰かがやってるからじゃなくて、自分がとにかくやりたいものを見つける。お金がかからないことも、たくさんあるからね」
すちゃだらぱー
ANI、Bose、SHINCOの3人からなるラップグループ。1990年に『スチャダラ大作戦』でデビュー。1994年には、小沢健二とコラボした『今夜はブギー・バック』が大ヒットする。デビュー30周年の2020年は、アルバム『シン・スチャダラ大作戦』をリリース。詳細は公式サイトをチェック
写真・久保貴弘
取材&文・福永千裕、昌谷大介(A4studio)
※JASRAC 出2010059-001
(週刊FLASH 2020年12月15日号)