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『M-1』本日放送!プロデューサーに聞く見どころは…「今年は爆ぜる!」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.12.20 16:00 最終更新日:2020.12.20 16:32
初代王者・中川家から始まりアンタッチャブル、サンドウィッチマンなど数多くの人気芸人を世に出してきた、漫才日本一を決める『M-1グランプリ』。
昨年は無名だったミルクボーイが史上最高得点で優勝。審査員の松本人志が「過去最高だった」と評した熱戦で、ミルクボーイだけでなく、3位に入ったぺこぱをはじめ多くの芸人が世に出るなど「神回」と呼ばれる成功を収めた。
本日(12月20日)18:34からのオンエアを前に、昨年「神回」の総合演出を務め、今年はプロデューサーとして携わるABC朝日放送の桑山哲治(桑は旧字)さんに、見どころを聞いた。
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――はじめに、桑山さんはどのような形でM-1グランプリに携わられているのですか?
桑山 2017年から総合演出、今年からプロデューサーを務めています。総合演出はコンセプト、今年でいうと「超解放」を基に全体の方向性を決めて、それに沿ってセットやテロップに至るまで、各部署が考えた大小の演出を一つひとつ確認、修正して全体を作っていくのが仕事です。プロデューサーはもう少し広く、「この大会をどう盛り上げたらいいのか」という大枠を見ています。
今年は、そもそも「M-1が開催できるのか!?」というところから始まりました。4~5月の時点では先がどうなるか本当にわからなかった。開催しない方がいいのではという話もでました。
でも、芸人さんに話を聞くと「それでもやりたい」という声をたくさんもらった。いまこそ笑いが必要だという思いもあり、まずは「今年も開催します!」と声高に宣言することが大事だと考えて、始動発表をしました。
そういう大会全体のブランディング、M-1を世の中にどうやって楽しんでもらえばいいかを考えるのがプロデューサーの仕事です。
――無名だったミルクボーイが史上最高得点で優勝した昨年は、今では「神回」と言われています。その神回を演出されたわけですね。
桑山 M-1の主役はあくまで芸人さんですから、僕を含め、歴代の総合演出はみな「自分がこの大会を作った」とは思っていません。昨年に関しては、結果的に神回と言ってもらえる、そういう舞台を整えられたかなというだけです。
神回と言われることはうれしい反面、プレッシャーでもあって。今年のコンセプトを決める際、「もう一歩先へ」というワードが挙がったんです。神回と言われた昨年を、もう一歩越えたい――そういう思いがあって、コロナ禍だけど委縮したり削減するのではなく、それぞれの持ち場でもう一歩攻めようと夏ごろの会議で発表しました。それを基に「逆境を超えろ」というキーワードも生まれました。
今年は、当たり前のことが当たり前じゃなくなった。劇場やテレビでお客さんが笑ってくれるのが、当たり前になっていた芸人さんも多いと思うんです。「今日もしんどいわー」なんて言いながらも舞台に立って……という毎日が、急になくなった。お客さん側も、劇場に行けば笑いに触れられたのが行けなくなって。お互いの関係が急に当たり前じゃなくなった。
だからこそ今年は、システムは大きく変えていません。当たり前だったものが当たり前じゃないから、変えずにやることで、逆にある意味、歴史的な大会になるんじゃないかという思いもあります。
台本でも、「こんな時代だから」「コロナ禍で大変でした」というようなことはあまり言っていません。当たり前のように開催してやろうと思っています。それによって純粋に「笑いって、芸人さんっていいな」と思ってもらえる大会になれば大成功だと考えています。