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桂文枝と松下幸之助、萩本欽一とチャップリン、芸能人の意外な関係
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.02.22 16:00 最終更新日:2021.02.22 16:00
桂文枝さんは、若手時代、お座敷で経済界のドンの目の前で落語をやったことがあるそうです。その経済界のドンとは「経営の神様」の異名を持ち、現在のパナソニックを一代で築き上げた創業者・松下幸之助さん。
文枝師匠は30〜40年前、芸妓さんがいる料亭・大和屋のお座敷に呼ばれたそうです。
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いまはほとんどありませんが、昔は噺家がお座敷に呼ばれ、少人数の客の前で落語をするという文化がありました。そういったお座敷でやる落語は「バレ噺」というエッチな内容が定番だったのです。文枝師匠がお座敷に呼ばれた当時の様子をお話ししてくれました。
「バレ噺をやってくれと言われて。でも私はそういう噺が嫌いでね。やっていなかったこともあって、普通の落語をやったんです。4人の前でやったんですけど、そのうちの1人が松下幸之助さんだったのです」
文枝師匠が落語をやったとき、松下幸之助さんの反応はまったくなかったといいます。
「4人とも90歳前後の高齢だったためか、みなさん黙って聞いてらっしゃいましたね。落語をやった後に、幸之助さんの横に座らせてもらったんです。幸之助さんから年齢を聞かれたんで答えると、『若いですね』と言われたことを覚えています」
松下幸之助さんのしゃべり方はすごく丁寧で、紳士的で立派な方だという印象をもったそうです。
もうひとつ、大物同士の出会いを紹介しましょう。それは日本を代表するコメディアン萩本欽一さんと世界の喜劇王チャールズ・チャップリンです。
萩本さんは1971年、番組の企画でチャップリンに会いに行きました。しかしアポがなかったので、家の前で4日間待っても会うことができませんでした。
当時の様子を萩本さんが赤裸々にお話ししてくれました。
「日本から24時間かけて来た人に知らん顔してるチャップリンに納得がいかなくなったの。それでチャップリンの家に向かって『あの映画はインチキだ!』と大声で怒鳴ってやったの」
するとその声が届き、親日家のチャップリンは日本語に反応して家から出てきてくれたのです。
「それからは快く話をしてくれて。家にも入れてくれて、『カメラを持っているが写真を撮らなくていいのか?』とまで言ってくれたんです。4枚ぐらい写真を撮ったら、わざわざ『景色を変えた方がいいね。庭に行こう』と場所まで変えて写真を撮らせてもらえたの。“画変わり” まで気にするところは、やっぱり監督だね(笑)」
ここまでチャップリンによくしてもらった萩本さんは、「あの映画はインチキだ!」と怒鳴った言葉の意味が伝わってなくて本当によかったと胸をなでおろしていました。
大物芸能人は、会う相手も桁違いですね。
取材・文/インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退。現在はインタビュアー・ライター・お笑いジャーナリスト