■大河ドラマ『真田丸』で映像の楽しさを発見
このとき30歳。演劇の世界では犬山イヌコ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏、手塚とおるとの出会いが大きかったと話すが、映像の仕事での最大の出会いは三谷幸喜氏とのものだった。
「映像より舞台が好きなんて言ってましたが、『真田丸』(三谷幸喜脚本・2016年)に出演してから、映像はすごくおもしろいと思うようになりました。
たとえば驚いたときの目の細かい動き。ある先輩がやってらしたんですが、黒目を細かくキョロキョロ動かす。舞台ではそこまで客席からは見えないけど、画面を通してなら伝わるんですよね。
いろいろな発見があって、いまはそれがすごくおもしろい。次のシーンはアップで映る、だったらどういう表現で思いを伝えようかと考えるのが楽しくって仕方なくって。三谷さんには本当に感謝です」
現在は『青のSPー学校内警察・嶋田隆平ー』に副校長役で出演中。2021年3月5日からBunkamuraシアターコクーンで上演される舞台『ほんとうのハウンド警部』では絶世の美女を、大河ドラマ『青天を衝け』では徳川家定の乳母・歌橋を演じる。
時代背景も違うまったく異なる役だが、「衣装やセットでその世界に連れてってもらえるので、環境に合わせて役になりきる」と話す。
『真田丸』で演じた大蔵卿局(茶々の乳母)は「なりませぬ」が口癖で、その憎々しい態度が話題になった。
「三谷さんのお母様が『あいつがいちばん悪い』っておっしゃってたそうで、三谷さんから『大成功だね』というメールをいただき、間違っていなかったんだなと、嫌われ具合に安心しました。
『青天を衝け』で演じる歌橋は大蔵卿局ほど浅はかではなく、愛情あふれる女性です。ご覧になる方は“物足りない”と思われるかもしれませんが、優しい役だってやるんですよ」
峯村にはもうひとつ、喫茶店の思い出がある。それは何かのご褒美に食べたチョコレートパフェ。
いつもわくわくして楽しみだったという。そのチョコレートパフェを頬張り、いたずらっぽく笑った。
みねむらりえ
1964年3月24日生まれ 東京都出身 劇団「ナイロン100℃」の旗揚げから主要キャストとして活躍。ドラマ『真田丸』『エール』(ともにNHK)、『あなたの番です』(日本テレビ系)など出演作多数。現在は『青のSPー学校内警察・嶋田隆平ー』(関西テレビ・フジテレビ系)、NHK大河ドラマ『青天を衝け』に出演中。生田斗真と共演する舞台『ほんとうのハウンド警部』が2021年3月5日から3月31日までBunkamuraシアターコクーンで上演予定
【珈琲 王城】
・住所/東京都台東区上野6-8-15(JR、東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」、京成線「京成上野駅」より徒歩2分)
・営業時間/8:00〜19:00(L.O.:食事が18:00、飲み物が18:30 時短営業中)年中無休
写真・野澤亘伸
(週刊FLASH 2021年3月9日号)