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予想外すぎる展開…『俺の家の話』は長瀬智也×クドカン史上、最大の恋愛ドラマだった
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.12 11:00 最終更新日:2021.03.12 11:00
まさか、ここまでちゃんとした恋愛展開が繰り広げられるとは思わなかった。俳優・長瀬智也×脚本家・クドカン(宮藤官九郎)タッグ史上、最大のラブストーリーになっているように感じる。
ジャニーズ退所&芸能界引退が目前に迫っているTOKIO・長瀬智也主演のドラマ『俺の家の話』(TBS系)のことだ。
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長瀬は引退後、裏方のクリエイター業にまわると言われているため、本作が俳優・長瀬智也の最終作になるのだろうが、介護がテーマのホームドラマということもあって、ラブストーリー展開になるとは予想外だった。
長瀬演じる主人公・観山寿一は、人間国宝の能楽師である父・観山寿三郎(西田敏行)の介護のためプロレスラーを引退し、観山流宗家を継ぐことを決意。
だが、裏では覆面レスラーとして隠れてプロレスも続けており、その秘密を知った戸田恵梨香演じる介護ヘルパー・志田さくらが、寿一に恋をするという展開がここ数話で繰り広げられている。
話が複雑なため要約して説明するが、そもそもさくらは介護ヘルパーでありながら、表向きは父・寿三郎の婚約者でもある。そして、最初はさくらを “後妻業の女” と疑っていた弟・観山踊介(永山絢斗)も、今やさくらに惚れており、プロポーズしようとしている。
そんなさくらが寿一に恋をしたため、観山家内でさくらを中心とした色恋沙汰が混線中。
先週金曜放送の第7話では、一度は「さくらさんの気持ちには応えられません」と断るものの、彼女の真っ直ぐな気持ちに胸打たれた寿一。ラストシーンとなったプロレスの試合中、観戦しているさくらに視線を送り、「必ず! 幸せにしまぁ~す!」と咆哮するのだった。
■クドカンがこんな真面目に恋愛展開を描くとは…
これまで長瀬智也とクドカンがタッグを組んだ作品は、連続ドラマでは『池袋ウエストゲートパーク』(2000年/TBS系)、『タイガー&ドラゴン』(2005年/TBS系)、『うぬぼれ刑事』(2010年/TBS系)。映画ではクドカンが脚本だけでなく監督も務めた『真夜中の弥次さん喜多さん』(2005年)、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(2016年)がある。
これだけタッグ作があるものの、実は今回の寿一とさくらほど丁寧にラブストーリーが描かれたケースはない。
『池袋ウエストゲートパーク』では加藤あい、酒井若菜、小雪が演じた女性キャラたちとちょっとした恋愛展開はあったし、『真夜中の弥次さん喜多さん』では中村七之助が演じた男性キャラとの同性愛が、コメディタッチで描かれてはいた。だが今回の寿一&さくらには及ばない。
過去作で最も恋愛色が強かったのが『うぬぼれ刑事』だろう。長瀬が演じた主人公の刑事 “うぬぼれ” が、毎回好きになる女性(ゲスト女優)が犯人だというドラマ。しかし基本的には一話完結型のため、さほど深みのあるラブストーリーにはなっていない。
レギュラー出演した中島美嘉が演じた “うぬぼれ” の元婚約者との、微妙な恋愛模様が物語の縦軸としてあり、最終回のお相手もその元婚約者だった。けれど『うぬぼれ刑事』のほうがコメディ度が高く、『俺の家の話』のほうが、ラブストーリーとして丁寧に描かれているように思う。
筆者は『池袋ウエストゲートパーク』にハマッて以来、長瀬×クドカン作品は網羅して観ている。少々失礼かもしれないが、そんな一ファン目線で言うと、悪ノリ好きなクドカンが長瀬主演のドラマでここまで真面目にラブストーリーを書くことが意外だった。
『俺の家の話』は第1話の平均視聴率は11.5%と上々だったものの、2話目以降は8%台から9%台をうろうろしている状態で、先週の第7話も9.3%。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/平均世帯視聴率/関東地区)
だが物語が終盤に差し掛かってきた今夜放送の第8話も、寿一とさくらのラブストーリーに進展がありそうで目が離せない。8話予告では、さくらが寿一からプロポーズを受けたことを報告するシーンや、弟・踊介が寿一を睨みつけるシーンなどがあり、波乱必至。
俳優・長瀬智也の最終作にして長瀬×クドカン至上最大のラブストーリー、最後までしかと見届けたい。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中