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「細かすぎて伝わらないものまね選手権」誕生したきっかけはコージー冨田
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.29 06:00 最終更新日:2021.03.30 13:38
現在も特番で放送されている『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ系)。この原型となる番組は、2004年に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』(同局系)内のコーナー『博士と助手~細かすぎて伝わらないモノマネ選手権~』から始まりました。
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それ以来、当番組から山本高広さん、阿佐ヶ谷姉妹、キンタロー。さんなど数多くの芸人がブレークしています。キンタロー。さんにいたっては、デビュー1年目に初出場で優勝し、一気にブレークを果たしました。
その人気芸人への登竜門的番組『細かすぎて…』ができるきっかけが、モノマネ芸人のコージー冨田さんだったと、ご本人が明かしてくれました。
「もともと『重箱の隅をつつくメドレー』という僕の細かいモノマネをやるネタがあったんです。それで僕がそのネタをとんねるずの番組のディレクターさんに見せてたの。
たとえば楽屋での貴さん(石橋貴明)のモノマネとか。(貴さんのものまねで)『チーピンがプランプランなんだよ』みたいな。でも、ディレクターさんは『それ面白いですけど伝わらないんですよね』って言ってて。
そしたらしばらくして、そのディレクターさんが「コージーさん、『細かすぎて伝わらないものまね選手権』というのを作りましたよ。今度やるんで出てください」って言われたんです」
コージーさんの重箱の隅をつつくようなマニアックなモノマネをヒントに、ディレクターさんが企画書を出して誕生したのが『博士と助手~細かすぎて伝わらないモノマネ選手権~』だったのです。
ちなみにその第1回目で優勝したのはコージーさんでした。この番組は細かいモノマネをする前に「〇〇するときに〇〇するも〇〇してしまう誰々」といったように長いタイトルを先に言う特徴もあります。この特徴についてもコージーさんが教えてくれました。
「あれはタイトルを言って、『これが面白いポイントでオチですよ』というのを先に言っているんです。そうするとモノマネが短くてすむんです。タイトルが長くて、モノマネは短い方が面白いわけ」
昔はやる前にモノマネする人物の名前を言うことさえ「ズルい」と言われ、評価されませんでした。しかし、名前どころか内容まで説明するという、これまでのモノマネの概念を覆す手法をコージーさんは作りだしたのです。
そんな新しいモノマネの形を作ってきたコージーさんが、先日『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で『“まだ誰もやってない”モノマネ王座決定戦』に出場し、レイザーラモンRGさんと対戦しました。
その対決は、お互いがモーリー・ロバートソンさんのモノマネで勝負するルールでした。そのとき、RGさんはモーリーさんのモノマネにもかかわらず玉置浩二さんの歌マネでモーリーさんのあるあるを言い、モーリーさんのモノマネ部分は見た目だけという暴挙にでます。
しかし、RGさんはコージーさんに勝利しました。ちなみに勝敗を判定したのは同大会に出場しているモノマネ芸人の方たち。
RGさんがやったのは、形態模写と声帯模写が別人物という、いままでにないパターン。ある意味、モノマネの概念を覆したともいえます。これはもしかして、新たなモノマネの歴史が動いた瞬間だったのかもしれません。
取材・文/インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退。現在はインタビュアー・ライター・お笑いジャーナリスト