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肥後克広、所ジョージの言葉で気がラクに「遊んでいる君たちが見たい」
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予想外にウケて、テレビ出演も増えたが、肥後は悩んだ。
「ガチガチにネタを固めて、セリフも一字一句決めました。そういうネタって、当たるとホームランだけど外れるとスッコーンと滑りまくり。
悩んでいたら所ジョージさんが『誰もダチョウ倶楽部にちゃんとしたネタは求めてないよ。遊んでる君たちが見たいんだよ』と言ってくださって、気がラクになりました」
それから数々の「伝統芸」が生まれる。
「『おでんネタ』は『オレたちひょうきん族』で(片岡)鶴太郎さんと(ビート)たけしさんがやっていたネタです。
番組が終わってからは僕たちが鶴太郎さんに熱々おでんをくっつけました。それからずっと、このネタは継承しています。
『どうぞ、どうぞ』は、ナインティナインさんの番組でバンジージャンプに挑戦するコーナーがあり、台本では僕が飛ぶことになっていましたが、裏台本では上島さんが飛ぶことになっていたんです。
でも上島さんは怖がって飛べない。そのうち、ナイナイさんが『じゃあ、僕らの番組だから』と自ら飛ぼうとしたんです。
さすがに上島さんも焦って『いや、それだったら僕が』と言うので、『どうぞ、どうぞ』となったんです」
■「バカ殿」の再放送を見て泣き笑い
今のダチョウ倶楽部は、志村けんさんの後押しなくしては語れないだろう。
「以前は近所の子供たちに『バカ殿だ』って言われたんです。そのたびに『違う違う、俺は家来だから』って返していたんですけど、最近はそれを言われなくなった。
志村さんが亡くなって、“バカ殿” も “ひとみさん” も亡くなってしまったんですね。本当に寂しい。
CSで『ファミリー劇場』というチャンネルがあり、『志村けんのバカ殿様』を再放送しているんです。10年くらい前の作品ですけど、みんな芸人として脂が乗り切っていて、熱量がすごい。
こう言うと志村さんに怒られるかもしれないけど、志村さんもすごく幸せそう。番組を見終わると、泣き笑いしています」
2020年、ダチョウ倶楽部は結成35周年を迎えた。36年めはどう暴れるのか。
「現状維持で、新たな展開はありません。それがダチョウ倶楽部です(笑)。解散危機? それはなかったなあ。僕たちはお笑いで天下を取ろうといった気持ちはまったくないから、解散の概念がないんです。
でも上島さんと寺門さんには感謝の言葉しかありません。何もできない、“人を引っ張らないリーダー” をここまで引っ張ってくれましたから。
お笑い芸人になっていなかったら? 沖縄で陽気な沖縄料理屋のおじさんになっていたでしょうね。アハハ」
肥後には「なんくるないさ」がよく似合う。
ひごかつひろ
1963年3月15日生まれ 沖縄県出身 1985年に寺門ジモン、上島竜兵、南部虎弾とダチョウ倶楽部を結成。1987年にリーダーだった南部が脱退し、肥後がリーダーとなる。グループは、流行語となった「聞いてないよォ」など数々の定番ギャグを生み、また、昨年亡くなった志村けんさんの冠バラエティ番組『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)にもレギュラー出演
【抱瓶】
東京都杉並区高円寺北3-2-13
JR「高円寺駅」から徒歩3分
営業時間17:00〜5:00 年中無休
※現在は時短営業中のため要確認
写真・野澤亘伸
(週刊FLASH 2021年4月13日号)