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【坂本冬美のモゴモゴモゴ】阪神・淡路大震災の復興を願った『心の糸』5人だからできたこと

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.05.29 11:00FLASH編集部

【坂本冬美のモゴモゴモゴ】阪神・淡路大震災の復興を願った『心の糸』5人だからできたこと

阪神・淡路AID SONG『心の糸』

 

■同じ時代を走ってきた同志と一緒に歌う……

 

 ――阪神・淡路大震災のチャリティソングを歌ってくれないか?

 

 お話をいただいたわたしは、その場で快諾しました。というか、むしろ、ぜひ歌わせてほしいと、こちらからお願いしたいほどでした。

 

 作曲家の杉本真人先生、作詞家のたきのえいじ先生が中心となって出来上がったのが、阪神・淡路AID SONG『心の糸』(1995年発売)です。

 

 ご指名をいただいたのは、香西かおりさん、伍代夏子さん、長山洋子ちゃん、藤あや子さんとわたしの演歌5人娘(と呼ぶには、ややとうが立っておりますが……苦笑)。

 

 レコード会社の枠を超えた企画で、当時はみんなスケジュールがびっしり。そのため、レコーディングも別々でした。

 

 みんな揃って歌ったのは……2回? 3回? それくらいだった記憶があります。

 

 最後に歌ったのは、2年前の9月、NHK-BSの『演歌フェス』。ただ……このときは、洋子ちゃんが病気のために出演できなくなってしまって。

 

 それでなくても、同じ時代を走ってきた同志と一緒に歌うと、いろんな思い出が頭の中に浮かんできて……。楽しかったことも、苦しかったことも、嬉しかったことも、全部です。

 

 目と目が合った瞬間、そういうものが全部甦り、感極まって涙腺がゆるんじゃうんですけど、このときは、“洋子ちゃん、頑張れ!” という思いもあって……。

 

 香西さんも、夏子さんも、あや子さんも、最初から目はうるうる。特に、洋子ちゃんのパートを歌うことになったわたしは、涙をこらえるのに必死でした。

 

 一人じゃなんにもできないけれど、5人揃えばできることがある――。

 

 収益金は日本赤十字社に寄付させていただきました。被害に遭われた方々の思いには遠く及びませんが、力を合わせれば、少しかもしれないけれど、お役に立てることだってある。

 

 歌うことで、皆さんが元気になっていただけるなら、勇気や希望を持っていただけるようになるなら、わたしは、これからも歌い続けます。いつまでも、変わらずに。

 

さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』など数多くのヒット曲を持ち、『また君に恋してる』は社会現象にもなった。最新シングル『ブッダのように私は死んだ』を含む、35周年記念ベスト『坂本冬美35th』が発売中

 

写真・中村功
構成・工藤晋

 

(週刊FLASH 2021年6月8日号)

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