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「フィッシュマンズ」のすべて…スカパラ茂木欣一×手嶋悠貴監督、今だから話せる苦悩と葛藤
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.07.08 20:00 最終更新日:2021.07.08 20:00
――東京スカパラダイスオーケストラのドラム&ボーカルとしての茂木さんしか知らないという年齢層の方も映画を観るかもしれません。
茂木「フィッシュマンズ時代の僕を知らない人にも、ぜひ観てほしいですね。僕のなかで、『音楽は出会った時が新譜』という気持ちがあります。1990年代のものだろうが、1960年代のものだろうが、ベートーベンやバッハだろうが、初めて聴いて衝撃を受けたら、それがその人にとっての新譜だと思うんです。
スカパラでは叩きながら笑顔で歌う僕のイメージが強いと思うので、1990年代の無表情で淡々と叩いている僕のドラミングを見て衝撃を受ける人もいると思います。
どちらも、音楽に夢中になっている茂木欣一の姿なので、1990年代のフィッシュマンズの僕にも出会って欲しいですね。
僕自身、音楽に救われてる人間で、10代に出会ったたくさんの音楽が僕の人生を輝かしてくれる源なんです。そういうことが今の10代の人や、まだフィッシュマンズに出会ってない人に起きたら幸せです。
音楽に出会うのは簡単ですが、この映画を観ていただければ、バンドで音楽を作ることの大変さも伝わると思います。『ナイトクルージング』のような曲はそんなに簡単には作れない。それをわかってもらえるだけでも嬉しいですね」
――映画を通して、茂木さん自身のフィッシュマンズ感に変化はありましたか。
茂木「『佐藤さん、いつも戦ってましたよね』って言われることが多いのですが、音楽ってものを軽く考えてもらっちゃ困る。音楽というか、芸術というものをなめてもらっては困るという部分に関して、佐藤君はずっと戦っていたと改めて思いました。
すごく丁寧に言葉を紡ぎ、メロディを考え。それを一曲も手を抜かずにやってきた人の音楽。1回1回のライブ、一度でも手を抜いたらフィッシュマンズは終わると思っています。
そこは映画を観終わって、引き締まる思いでした。また、真剣勝負のライブをやりたくてしょうがない気持ちです。1990年代の自分たちに負けたくないんです」
――最後に一言お願いします
茂木「ひとつひとつの出会いの取捨選択というか、タイミングを自分が掴む・掴まないかが大切で、それがひとりひとりの未来に繋がる。それを実感させてくれる映画だと思います」
手嶋「フィッシュマンズの映画ではありますが、観ている人の人生にも重なる部分も多々ある映画だと思っています」
写真・福田ヨシツグ