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【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『雨あがり』当時は恋に一直線! 結婚を考えたことも一度、二度、三度…

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.07.10 06:00FLASH編集部

【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『雨あがり』当時は恋に一直線! 結婚を考えたことも一度、二度、三度…

坂本冬美

 

 ジャケット写真を並べて見てみると、デビュー当時のわたしは、とてもじゃないけど、かわいげがある……とは言えません。

 

 ところがです。どこを気に入っていただけたのか、ありがたいことに、島倉千代子さんをはじめ、本当に多くの先輩たちにかわいがっていただきました。

 

 山城新伍さんも、そのお一人です。当時、山城さんが司会を務めていらした帯番組に、猪俣公章先生がときどき出演していたのですが、そのついで……といいますか、おまけ……といいますか、わたしも、ちょいちょい歌わせていただいて。

 

 

 デビュー2年めに経験させていただいた初舞台も、山城さんの座長公演です。

 

 初めてのテレビ主題歌となったこの『雨あがり』(1990年発売)は、その山城さんがレギュラーで出演されていた連続テレビ時代劇『付き馬屋おえん事件帳』(テレビ東京系、主演は山本陽子さん)の主題歌です。

 

 きっと、おそらく……いや、ほぼ間違いなく、山城さんが猛プッシュしてくださったおかげだと思っています。

 

 だって、考えてもみてください。当時のわたしは新人。上を見上げると、大先輩たちがきら星のように輝いていらっしゃったのですから、山城さんの推しがなければ、坂本冬美に主題歌を――なんてことはなかったと思います。

 

 テレビから流れてくる自分の歌は、なんかこそばゆいような、恥ずかしいような……う~ん、でも正直に言っちゃうと、感動でした。

 

■結果的にわたしが選んだのは恋より仕事

 

 作曲は猪俣先生で、作詞はわたしと同じく、デビューほかほかの麻こよみ先生。詞の最後に、『他の女を抱けないようにくちびる私に置いていけ』という言葉があるんですが、これが若かったわたしにとってはものすごい衝撃で、背筋がぞくっと震えたことを覚えています。

 

 というのも、当時のわたしは、仕事にも夢中でしたが、恋にも一直線で。仕事が楽しいからこそ、恋という違うベクトルに向かう楽しさにも夢中になっていた……。

 

 歌とは違う世界でもきちんと自分の居場所があって、それが充実しているから、仕事も頑張れる、みたいな。ザ・青春そのものでした。

 

 結婚ですか? 考えましたよ。初恋の山本くんのときも考えたし、その後も、この人! と、思った瞬間は一度、二度、三度……まぁ、それなりに、ありました。

 

 でも、だけど、しかし。振り返ると、結果的にわたしが選んだのは仕事なわけです。そのときは、この人がいちばんと思い込みたい。わたしにとって、いちばんは仕事じゃないと思い込みたいんですけど……やっぱり、仕事を選んできてしまった。

 

 これまで自分が歩んできた道に、後悔はありません。たくさんの素敵な曲に出合えて、それを歌う場所がある――最高に幸せな人生です。

 

 だからこそ、もしも、もう一度生まれ変わることができたら、次は違う道を選びます。

 

 結婚して子供を産んで、孫に囲まれながら平穏な日々を生きる――歌手・坂本冬美の人生を堪能してきたからこそ、願わくば、次は別の人生を送ってみたいと思うわけです。

 

 えっ!? もし、わたしが男だったら、わたしのような女を選ぶか……ですか?

 

 選びませんよ。わがままだし、自由人だし、人には合わせないし(苦笑)。家事は一生懸命やりますよ。お料理だって一生懸命作るし……美味しいって言ってもらいたいから。

 

 でも――やっぱり、選ばないですね。もっと、女の子らしくて、素直で、かわいらしい子を選びます(笑)。

 

さかもとふゆみ 
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』など数多くのヒット曲を持ち、『また君に恋してる』は社会現象にもなった。最新シングル『ブッダのように私は死んだ』を含む、35周年記念ベスト『坂本冬美35th』が発売中

 

写真・中村功
構成・工藤晋

 

(週刊FLASH 2021年7月20日号)

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