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『ナイト・ドクター』波瑠とフジテレビがニンマリ…大ハマりした2つの戦略とは?

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.09 11:00 最終更新日:2021.08.09 11:00

『ナイト・ドクター』波瑠とフジテレビがニンマリ…大ハマりした2つの戦略とは?

 

 ドラマの内容うんぬんよりも、2つの戦略がハマったという印象が強い。

 

 主演の波瑠とフジテレビは、ほっと胸をなでおろしていることだろう。月9ドラマ『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)のことだ。

 

 試験的に昼夜完全交代制を導入し、夜間勤務専門の救命医チーム 「ナイト・ドクター」 が設立された病院が舞台。波瑠、田中圭、King & Prince 岸優太、DISH// 北村匠海、岡崎紗絵が演じる5人の若手医師の活躍を描いた医療ドラマである。

 

 

 7月19日に放送された第5話までの視聴率は、第1話13.4%、第2話10.6%、第3話11.7%、第4話12.4%、第5話10.4%と二桁キープで好調。このご時世に視聴率10%越えを果たしているので、優秀なドラマと言えるだろう。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/世帯平均視聴率/関東地区、以下同)

 

 東京五輪開催期間中の7月26日と8月2日は放送休止しており、第6話は今夜放送である。

 

■東京五輪回避の英断と、主演作のジャンル選びの妙

 

 1つめの戦略は、本作の放送開始日と前述の休止期間についてだ。

 

『ナイト・ドクター』は前クール作品『イチケイのカラス』(フジテレビ系)最終回の翌週である6月21日、特番などの小休止を挟まずにスタートしていた。

 

 夏ドラマは7月に入ってから放送開始するのが通例であるが、本作は6月中に異例のフライングスタート。他の夏ドラマがスタートした7月初旬、『ナイト・ドクター』はすでに第3話を放送していたのだ。

 

 フライングスタートさせた要因はいくつかあるだろうが、一番の理由は東京五輪期間中の放送を回避することだったのだろう。言うまでもないが、放送時間が五輪中継などとカブってしまうと視聴率が激減する可能性が高い。

 

 現に夏ドラマのライバルで、同じく医療ものである日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)は、東京五輪期間中に視聴率が下落。東京五輪前の第1話、第2話、第3話はすべて14%台と高視聴率をキープしていたにもかかわらず、東京五輪期間中に放送した第4話と第5話は10%台まで急降下してしまっている。

 

『ナイト・ドクター』は東京五輪前の放送でも10%台まで下がったこともあるので、もし東京五輪中も放送したら、視聴率は一桁台まで落ちてしまったのではないだろうか。

 

 そう、2週間フライングスタートして、その帳尻を合わせるかのごとく東京五輪中の2週間を休止するという戦略が見事にハマり、なんとかここまで全話二桁視聴率をキープできている。英断をくだしたフジテレビはほくほくだろう。

 

 2つめの戦略は、主演の波瑠目線に立った作品選びについてだ。

 

 波瑠は2015年9月から半年間放送された連続テレビ小説『あさが来た』(NHK)の主演で大ブレイクしたものの、実は民放で主演した直近の連ドラ3作の成績はイマイチ。

 

 2018年の『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)、2019年の『G線上のあなたと私』(TBS系)、2020年の『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ系)の主演3作は、全話平均視聴率は7~8%台と低迷していた。

 

 そろそろ “数字が取れない主演女優” なんてレッテルを貼られかねないため、波瑠は内心かなり危機感を持っていたのではないか。『ナイト・ドクター』はそんな悪い流れを断ち切って、全話二桁視聴率キープとなっているというわけだ。

 

 近年のドラマは1話完結型の医療もの、警察もの、裁判ものが強いとされている。

 

 実際、『サバイバル・ウェディング』のひとつ前のクールに放送された、波瑠の警察ものの主演ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官』(2018年/テレビ朝日系)は、全話平均視聴率12%台とヒット作となっていた。

 

『G線上のあなたと私』『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』と恋愛もので連敗していたので、もしまた恋愛ものの主演依頼が来たら波瑠は断ったのではないだろうか。いや、恋愛ものでなくても、ヒットする可能性が高くなさそうなジャンルや作品は避けていたかもしれない。

 

 そんななか今回、手堅くヒットが望める医療ものの主演話が舞い込んだ。波瑠としては渡りに船だったことは想像に難くない。結果、その作品選びの戦略が功を奏したと言える。

 

――2週間の休止を挟んで今夜放送される第6話も視聴率二桁越えを果たせば、フジテレビと波瑠はますますニンマリだろう。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

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