■芸人も俳優も演じる意味では変わらない
芸人として認められ、アキラ100%として活躍すると、念願だった映画やドラマの仕事が舞い込んできた。
「とはいえ、お芝居のお話をいただけるのはかなりレアなことで……。いただけるものは、スケジュールが許す限りやらせていただいています。
オファーをいただけるのは本当に嬉しいです。どこか認められたという気持ちになりますから。やっぱり芝居っておもしろいんですよ。もともとコメディが好きで芝居に興味を持ったのですが、役者業はやっていてワクワクします。これまでの芸も生かされるような気がしますしね」
公開中の映画『達人 THE MASTER』では、大橋彰名義で初主演を果たした。
「話を聞いたときは、嬉しい気持ちとともに、自分で大丈夫だろうかという不安の部分がすごく大きかったです。やっぱり主演って看板を背負ったり、撮影現場の空気を作っていかなければいけないので、その重みを感じるというか。
実際に現場に入ってみたらそれは杞憂でした。監督をはじめ、キャストの皆さんが空気を作ってくださって、すごくやりやすい意志の疎通が取れた楽しい現場になりました。映画はやはりワンチーム感が大事ですね」
本作では、コミカルな要素も多く、クスリと笑わせる芝居をするアキラ。
「コントのときと違って、やりすぎないようにしようと心がけて演じました。
コントは “全員にわかりやすく” が大事ですが、映画は自分一人で何かをするのではなく、カット割りや画角、音楽といった皆さんの技術により、おもしろさを増幅させていくものという感覚があります。あらためてみんなで作っていくものだと感じました。
ただ、根本はお笑いも芝居もそう違うものだとは思わないです」
俳優としての仕事も順調だが、今後をどのように考えているのだろうか。
「何かを表現するという部分では、芸人と俳優の違いはないと思います。これからも、お笑いと演技の両方の仕事をやり続けていきたいです。
ちなみに年を取っても裸芸はやめないですよ。そのためにはいつでも裸になれるように体を作っていなきゃとは思うんですが……。
最近、裸になることが減ってきてちょっと肉がついてきたんですよ。それだとちょっとおもしろくないので、ネタに集中してもらえる、ベストな中肉中背の体を作っていけたら(笑)。
このネタは意外と海外の方にも笑っていただけるので、まだまだ僕のことを知らない人に届けていきたいです」
新しい扉の前に立っても、躊躇せず開き歩いていくアキラ。そんな彼を見続けたい。
あきらひゃくぱーせんと
1974年8月15日生まれ 埼玉県出身 2005年、お笑いコンビ「タンバリン」を結成。2010年の解散以降は、アキラ100%の芸名で活動開始。2017年、「R-1グランプリ」で優勝し、バラエティ番組などで活躍。2021年4月からtvkの情報番組『あっぱれ!KANAGAWA大行進』のMCを務める。また映画『こはく』(2019年)、ドラマ『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』(2020年、日本テレビ系)などドラマや映画にも出演。本名の大橋彰名義でも出演している
【とんかつ目黒こがね】
住所/東京都品川区上大崎3-3-4 ヤマヒロビル1F
営業時間/ランチ11:00~14:30(L.O.14:00)、ディナー17:30~21:30(L.O.21:00)
休日/年中無休
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間、定休日が記載と異なる場合があります。
写真・伊東武志
(週刊FLASH 2021年9月21日号)