ーー漣さんにとってはどのような8年でしたか?
「私は激動というわけではないですが、結婚後どうしても子供が欲しかったんですが、なかなかできず……。不妊治療を続け、体外受精でようやく娘を授かるという貴重な経験をしました。
不妊治療は、女性の体への負担が大きいなと思いました。血栓リスクのあるホルモン治療から始まり、質のよい卵子の採取、培養をおこなうんです。卵を1つずつ針で刺して採取するんですが、はじめ部分麻酔だったのが、23個の卵子を針で刺していくうち、あまりの痛みから痙攣してしまって……途中で全身麻酔に切り替えられました。痛いという記憶しかありません。
幸い、1度のトライで授かることができましたが、もしダメだったら予算的に続けることはできなかったので、これでダメならあきらめるしかないと思っていました。菅政権時代に、少子化対策として不妊治療への補助が手厚くなったようですが、当時はもっと支援してくれたらいいのに、と考えていました。
仕事面では、ボーカルトレーナーとして、舞台の歌唱指導やプライベートレッスンをおこなっています。アナウンサーや役者さんも習いに来てくれて、充実した日々を送っております」
ーーお2人ともこの8年で大きく変化された様子ですが、これからまた心機一転、「ママヤン」として、新たな活動を始めるそうですね。
漣「私はシングルマザーなので、ママ仲間とのつながりはとても大切に感じています。子育てをしながら孤独を感じたり不安を感じることもある。1人じゃないと思えることで救われる瞬間もある。ママがいろいろと情報共有できる場所を作れたらと思っています。
これまでのつらい経験は誰かのためにあるもの。悩んでいる方がいたら、みんなで考えて一緒に解決していけたらいい。不妊治療や流産という言い出しにくい話題も、それぞれの悩みを打ち明けるきっかけになり、励ましあえるのではないかと思っています」
池辺「『ママヤン』の活動は、SNSでライブ配信をしていくほか、オフ会なども計画中です。参加してくださる皆さんとフラットな関係で、親子でミカン狩りなど、楽しいイベントもいずれ開催できたらいいなと思っています」
漣「人生をいろいろ経験して、笑いはすごく大事だということを再認識しました。とにかく笑えたら明日に向かえる。わずか数人でも面白いと言ってくれたら、すごく嬉しい。今後は、一方的にネタをやるのではなく、みんなで楽しんでいきたいです」
ソーシャルディスタンスが叫ばれ、人との距離が広がっていく時代。「ママヤン」の活動は、不安や孤独を抱える女性たちの救世主になるかもしれない。
※ママヤンのツイッターは@mamayan_moeyan