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『#家族募集します』木村文乃・重岡大毅らが抱える “家族解散危機” が安っぽすぎて萎える

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.09.24 11:00FLASH編集部

『#家族募集します』木村文乃・重岡大毅らが抱える “家族解散危機” が安っぽすぎて萎える

 

 最後の壁が低いなぁ……というのが、今夜最終回を迎える『#家族募集します』(TBS系)について感じていることである。

 

 シングルファーザーの俊平(ジャニーズWEST 重岡大毅)と5歳の息子。俊平の幼馴染である蒼介(仲野太賀)。シングルマザーの礼(木村文乃)と5歳の娘。シングルマザーのめいく(岸井ゆきの)と6歳の息子。

 

 

 この大人4人・子供3人が、下町の風情あるお好み焼き屋「にじや」の2階を間借りし、“家族”として一つ屋根の下で暮らす姿が描かれている「新時代のホームドラマ」(公式HPより)だ。

 

 先週金曜放送の第8話では、蒼介らがおやっさんと慕っている「にじや」店主の銀治(石橋蓮司)が心筋梗塞で倒れてしまう。なんとか一命をとりとめ意識を回復したが、その病をきっかけに、銀治が疎遠になっていた本当の家族が現れるという展開。

 

 銀治には絶縁状態の息子夫婦とその孫がいるのだが、息子の嫁が蒼介の前に現れ、昔のようにまた銀治と暮らしたいとほのめかしていた。

 

■家族解散というアホ展開なら超絶バッドエンド

 

 最終回1話前となった第8話は、ラストシーンで「にじや」の厨房に立ちながら突然蒼介が涙をこぼし、“にじやの家族” たちは蒼介が何か悩みを抱えていることを察したところで終わっていた。

 公式HPの最終回のあらすじによると、蒼介は銀治にまた息子家族と一緒に「にじや」で暮らしてもらいたい気持ちがあるが、息子家族が戻ってくると自分たちが2階から出ていかなくてはいけないと悩んでいる。

 

 そしてそれを知った俊平や礼やめいくも蒼介と同じように戸惑い、葛藤することになるようである。

 

 要するに、銀治がまた本当の家族と暮らせるように計らうと、“にじやの家族” が終わってしまうと思っているようなのだ。

 

 ズバリ、彼らのこの悩み、めちゃくちゃ浅くないだろうか?

 

 結論から言えば、銀治の息子家族には「にじや」の2階に住んでもらい、“にじやの家族” たちは近所にある広めのマンションにでも引っ越して、これまでどおり一緒に暮らす。……という方法で簡単に解決すると思うのだが、違うのだろうか?

 

 確かに、そうすると銀治と一緒に住むことはできないが、銀治には本当の家族が戻ってくるわけだし、蒼介ら “にじやの家族” たちは毎日「にじや」に顔を出してやればいい。そうすればみんなが幸せになれるはず。

 

 こんなにも簡単な解決策があるのに、なぜ蒼介らは葛藤するのだろう。そんなに「にじや」の2階という場所にこだわる理由って何があるのだろうか?

 

 逆に考えると、「にじや」の2階に住めなくなる程度のことで、彼らの脳裏には “にじやの家族” 解散がよぎっているということなのだろうか?

 

 だとしたら、ずいぶん浅い絆に思えて仕方ない。「にじや」の2階に住めないなら家族じゃなくなるのなら、とんだ家族ごっこだ。

 

 しかし、これを俯瞰して考えると、登場人物たちに非はないように思える。

 

 この “にじやの家族” 解散危機問題は、脚本家が最終回を盛り上げるために用意したストーリーなわけだ。ホームドラマにおいて、家族がバラバラになってしまうかもしれない問題が最終回にふさわしいのはわかるが、あまりに安易すぎではないか。

 

 前述したように、「にじや」の2階に住めない程度のことで “にじやの家族” を解散しなければと葛藤する姿を描くなら、これまで8話もかけて描いてきた絆をめちゃくちゃチープなものとして扱ってしまうことになる。

 

 こんな展開では、登場人物たち、それを演じた役者陣があまりにも不憫。

 

――今夜放送の最終回、「にじや」の2階に住めなくなったから “にじやの家族” は別々に暮らすことになりました……なんていうアホみたいな超絶バッドエンドにならないことを祈るばかりだ。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

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