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江口のりこ『SUPER RICH』赤楚衛二との関係性に「ありえない既視感」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.10.28 11:00 最終更新日:2021.10.28 11:00
一見 “面白そう” なのに、なんだかいまいちで、“面白い!”と手放しで絶賛できない。その理由は……?
江口のりこがゴールデン・プライム帯のドラマ初主演を務めている『SUPER RICH』(フジテレビ系)。木曜22時枠で先週に第2話が放送された。
江口のさすがの演技で作品に一本太い芯が通っているため、“面白い” 雰囲気はあるのだが、なんだかフワッとしていて痒いところに手が届いてない感じがするのだ。また、さすがにコレはないだろう……という、ある既視感も気になりまくる。
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電子書籍を手がけるベンチャー企業のアラフォー女社長で主人公の氷河衛(江口)が、“幸せのカタチ=スーパーリッチ” を手に入れるために奮闘する物語。
そして、もう一人の主人公とも言えるのが、衛の会社のインターン試験に遅刻して門前払いされてしまった貧乏学生・春野優(赤楚衛二)だ。
いまいち面白いと感じない理由は優のキャラクターにあり、ちょっとあり得ないある既視感とは衛と優の関係性にある。
■準主役・赤楚衛二にイライラして感情移入できず
率直に言うと、もう一人の主人公である赤楚演じる優が、あまり魅力的な人間に見えないのである。
好意的に解釈すると、要領が悪いもののピュアで優しく一生懸命というキャラクター。しかし、それだけなのだ。
重要な準主役なのだから、凡人とは違う秀でた個性があったり、いい意味で浮世離れした性格だったりといった “肉付け” が必要な気がするが、そういう要素は薄め。
第2話まで観た限り、ピュアさや一生懸命さが彼の長所だというのはわかるが、ドラマ的に惹きがあるような突出感はナシ。せめて、長所ではなくても “とびっきりのアホ” のような特徴があればまだマシなのだが、そういったエンタメ作品に必要な強烈な個性も見えないのである。
第2話では、衛の会社のカネを持ち逃げしていた共同経営者の男を、優が見つけ出すというファインプレーはあったが、発見できたのはほとんど偶然の産物でご都合主義的に感じたし、優の能力や長所が生かされたようには見えなかった。
むしろ、優の要領の悪さや考えの甘さ、無自覚の図々しさ、的外れな言動などにイライラさせられるシーンの印象が強く、感情移入しづらいのだ。
第1話、第2話とストーリーの展開は早く、江口演じる女社長のキャラが魅力的で立っているから見られるものの、それゆえに痒いところに手が届いていない準主役のキャラ造形が、ストーリーをフワッとさせてしまっている。
第3話以降で優の魅力を描いていくのかもしれないが、連続ドラマは1、2話で離脱する視聴者も多いため、遅きに失したなんてことにならないといいが……。
■年上女社長×年下イケメンは前クールと似すぎ?
続いては、ちょっとあり得ないと感じた、ある既視感について。
本作の同枠・前クールに放送されていたのは、比嘉愛未が主演で、若手イケメン俳優の渡邊圭祐が準主役を務めた『推しの王子様』(フジテレビ系)。
こちらはベンチャーのゲーム会社を創業した女社長(比嘉)が、自身の手掛ける乙女ゲームの推しキャラにそっくりな青年(渡邊)を、理想の男に育てていくというロマンティック・コメディだった。
そう、両ドラマともベンチャー企業を立ち上げた新進気鋭の30代女社長が主役で、落ちこぼれの若い年下イケメンが準主役なのである。しかも、宿なしの年下イケメンを女社長が自分の高級マンションに泊めてあげるというシーンまで類似。
オーソドックスと言えばオーソドックスな設定・シーンなので、パクッたと糾弾するつもりはないが、同じテレビ局の同じ枠、しかも2クール連続で同じようなものを見せられては、さすがに食傷気味だろう。
救いなのは、『推しの王子様』は恋愛要素がメインだったのに対し、『SUPER RICH』はお仕事要素がメインということか。だが衛と優の恋愛フラグもうっすら立っているため、恋愛展開にならないことを祈るのみ……。
――世帯平均視聴率は第1話が7.8%、第2話が7.3%で、今のところ固定ファンはついているのかもしれない。ここから右肩上がりにできるかどうかは、優のキャラ立ちや衛と優の関係性の描き方にかかっているだろう。注目の第3話は今夜放送だ。
(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中
写真・朝日新聞