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綾野剛『アバランチ』最大の因縁が未回収のまま終了…続編はファンの熱量次第か?

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.12.21 18:37FLASH編集部

綾野剛『アバランチ』最大の因縁が未回収のまま終了…続編はファンの熱量次第か?

 

 敵対する組織の大ボスが失脚し、「アバランチ」は再び世間からヒーロー視されるように。しかし、これにて一件落着の大団円と言うには “しこり” が残りすぎている。

 

 綾野剛主演で、非合法の手段もいとわずに警察が裁けないような巨悪に立ち向かっていく、謎の集団「アバランチ」の活躍を描いたドラマ『アバランチ』(フジテレビ系)。

 

 

 12月20日(月)の最終回は世帯視聴率が8.2%、個人視聴率は4.5%という結果だった。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区)

 

「アバランチ」のメンバーは、表向きは警視庁特別犯罪対策企画室長で「アバランチ」のリーダー・山守美智代(木村佳乃)を筆頭に、元警視庁公安部の羽生誠一(綾野)ら7人。天才ハッカーや元自衛官など秀でた能力を持ったメンツが揃っている。

 

 最終回は、日本版CIA創立のため暗躍する黒幕の内閣官房副長官・大山健吾(渡部篤郎)と、その直轄の秘密組織「極東リサーチ」により、「アバランチ」メンバーが絶体絶命のピンチという状況から幕を開けた。

 

 だが、最終回後半で一気に形勢逆転。まさに雪崩(アバランチ)の如く、状況が一変した。

 

「アバランチ」メンバーに着せられていたテロリストの汚名はそそがれ、大山のたくらみが3年前の偽装テロを含めすべて総理大臣の耳にも入ったことで、大山は官房副長官から更迭させられたのだ。

 

■「ひとまず引く」という意味深長な言い回し

 

 追い詰められたかのように見えた羽生たちが「極東リサーチ」の刺客を圧倒して返り討ちにするシーンや、寝返ったかに見えた山守が「ここからが雪崩の始まりですから」と不敵に微笑むシーンなど、まさに痛快。

 

 また、一国の長として情けない描写が多かった総理大臣が、漢気を見せたのも意外だったが頼もしかった。まだテロリスト疑惑が晴れていない羽生に、「国民の話を聞くのが総理の役目だからね」と一対一で対話し、大山更迭という迅速な決断をしたのである。

 

 こうして大ボス・大山の野望を打ち砕き、再びヒーローとなった「アバランチ」メンバーだったが、完全に大団円というわけでもなかった。

 

 羽生の公安部時代の先輩であり、山守の婚約者でもあった藤田高志(駿河太郎)。3年前のテロで死んだと思われていた彼は、羽生と山守を裏切り「極東リサーチ」のメンバーになっていた。

 

 藤田はまだ羽生や山守に情があり、敵対することに葛藤するシーンがたびたび描かれたが、3年前の事件が偽装テロだと知ったうえで大山に加担し、仲間たちを死なせたのはまぎれもない事実。そして「極東リサーチ」メンバーとして姿を現し、再会した羽生を銃撃しているのだ。

 

 そんな藤田が、羽生&山守と和解するシーンはなく、死亡したわけでも逮捕されたわけでもないため、劇中最大の因縁に決着がついていないのである。「極東リサーチ」が解体させられた描写もなく、藤田や羽生を狙撃したスナイパーなど主要メンバーがその後どうなったのか不明のまま。

 

 また、更迭された大山は「国民を信じていなかった私の負けだな。仕方あるまい。ここはひとまず引くとするよ」と素直に敗北を認めるものの、「ひとまず引く」という意味深長な言い回しをしていた。

 

 やはり “大団円” と言いがたい、大きな “しこり” が残っているのだ。

 

 その後、羽生は「アバランチ」メンバーの前からも姿を消すが、羽生の行方を尋ねられた山守は、「彼は必ず帰ってくると思います。だって彼の役目はまだ終わっていませんから」と答えていた。

 

 この余韻……普通に考えれば続編フラグ。「極東リサーチ」との因縁をあえて残していることなどを踏まえれば、制作陣は続編に意欲満々のように思える。

 

『アバランチ』は初回のみ世帯視聴率10.3%で、それ以降は一桁視聴率だった。

 

 けれどフジテレビは世帯視聴率で一度も二桁に乗せられていなかった『シグナル 長期未解決事件捜査班』(2018年)を今年映画化。同じく一度も二桁視聴率を記録していない『ルパンの娘』(2019年・2020年)を、連続ドラマでシーズン2を制作し、こちらも今年映画化させている。

 

 要するに近年のフジテレビでは、視聴率のよし悪しよりも、最後まで視聴してくれたファンの熱量によって、映画などの続編が決められているのではないか。実際『アバランチ』ファンからは、すでに続編を待望している声が多くあがっているし、フジテレビも当然把握しているはず。

 

――『アバランチ』の続編はあるのか? もし実現するのなら、藤田との因縁に決着をつけることはマストだろう。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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