エンタメ・アイドル
桂文枝「いらっしゃ~い!」のポーズは、さんまのモノマネから逆輸入してた
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.01.10 06:00 最終更新日:2022.01.10 06:00
1971年1月31日から『新婚さんいらっしゃい!』(朝日放送)の司会を務めている桂文枝師匠(78)が、3月末で勇退されることを発表しました。
同番組は51年間も続いており、「同一司会者によるトーク番組の最長放送」として、2015年7月2日放送でギネス世界記録に認定された偉大な番組です。
番組タイトル『新婚さんいらっしゃい!』の「いらっしゃい!」は、文枝師匠が初めて作ったギャグだと、以前、筆者が取材した際にお聞きしました。
【関連記事:桂文枝「20年間」愛人が告白「師匠は私の最愛の人でした」】
文枝「それまで売れている芸人さんは、みなさんギャグを持っていたんですよ。たとえば谷啓さんの『ガチョーン』とか伴淳三郎さんの『アジャパー』とか。そこで、どういったギャグがいいか考えたんです。
この世界は舞台に出て行ったら、まずお客さんをつかまないといけない。それなら、出て一番最初の言葉をギャグにすればいいと考えたんです。それで『いらっしゃいませ』という言葉をギャグにしたらと思って『いらっしゃ~い!』ができたんです」
「いらっしゃ~い!」のギャグと言えば、髪をかき上げるようなポーズもおなじみですが、最初のうちはやっていなかったそうです。
文枝「(明石家)さんまちゃんが僕のものまねをよくやるじゃないですか。『お前ら、ちょっと来い!』(いらっしゃいのポーズをやりながら)って。そのときにさんまちゃんがやっていたポーズを逆に僕がもろたんです。だからさんまちゃんがギャグを流行らせてくれたようなもんなんですよ」
さんまさんが文枝師匠のものまねをするときのポーズを、ご本人が逆に取り入れていたとは驚きです。
文枝師匠は、勇退する理由の1つに、新婚さんの突飛な発言に対しイスから転げ落ちる番組名物、通称『イスこけ』を会見であげていました。
文枝師匠はこれまで約1万回コケてきましたが、最近は自分の体を気遣い、コケる回数を控えていました。本当はもっとコケないといけないが、コケられなくなったそうです。
筆者は、番組が50周年に突入する年に文枝師匠を取材したのですが、過去にも「イスこけ」ができなくなった時期があったそうです。
文枝師匠は40歳を過ぎた頃、体調を崩され、自律神経失調症と診断されて苦しんでいた時期がありました。
文枝「その頃はコケるのが怖くて、僕がイスに座っていたら、嫁に『コケて頭を打ったぐらいでは死なへんで』って言われたんです。『よく考えたら、そやな~』と思って(笑)。そこから倒れたら倒れたときやと開き直れるようになったんです」
その後は、奥様の助けもあり、10年近くかけて徐々に病気は回復に向かい、2年前に出演した『徹子の部屋』(テレビ朝日)でもイスこけを披露していました。
文枝「(イスこけで)不思議とケガは一回もしたことないですよ。このあいだ、『徹子の部屋』でもコケたんです。目の前にテーブルがあってコケづらかったですが、気持ちでコケたら大丈夫でした(笑)」
文枝師匠の「イスこけ」が見られなくなるのは寂しいですが、もし自分がやると考えたら、53歳の筆者でもけっこう恐怖を感じると思います。それを78歳になるまで続けた文枝師匠は、落語界の鉄人としか言いようがないでしょう。
放送は、3月末まで続きます。どうかお体に気をつけて、決してご無理をせずにゴールを迎えられることを祈っております。
インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人とライターの二足のわらじで活動している
( SmartFLASH )