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松本潤『となりのチカラ』は、まるで『ドラゴンボール』…少年漫画の王道的な展開がアツい

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.03.10 11:00FLASH編集部

松本潤『となりのチカラ』は、まるで『ドラゴンボール』…少年漫画の王道的な展開がアツい

 

『ドラゴンボール』のような少年漫画の王道的な展開で、けっこうアツくなってきた嵐・松本潤主演の『となりのチカラ』(テレビ朝日系)。

 

 妻と2人の小学生の子を持つ中越チカラ(松本)は、何をやっても中途半端で情けなく見えるが、困っている人を助けたいという気持ちが人一倍強い。そんな人間愛あふれる主人公が、引っ越し先のマンションの住民たちの悩みやトラブルを解決していく社会派ホームコメディーだ。

 

 

 第1話では、隣の部屋に住む家族の、父親による娘への虐待問題に介入。まだ解決できずにいるが、その女児や母親とは仲を深めた。

 

 第2話では、真上の部屋に住む祖母と高校生の孫の2人暮らし家庭で、認知症となっている祖母と孫に寄り添い、相談に乗って解決。

 

 第3話では、真下の部屋でエステを営むベトナム人女性の妊娠問題に、親身になって力を貸し救ってあげた。

 

 第4話では、もう一方の隣の部屋に一人暮らししている占い好きの女性が、娘と絶縁状態になっていたため仲直りに尽力。

 

 こうしてチカラは、第1話のDV父問題は未解決ながら、上下左右の住人と親交を深めつつ、マンション内での信頼度を高めていくのだった。

 

■“偶然の出会い” を乱発しすぎのご都合主義に辟易

 

 先週放送の第5話は、マンションの管理人と6階に住む謎の青年の心を救済した。管理人は連続幼児殺人事件の犯人・少年Aに息子を殺害された過去があるのだが、この青年こそ少年Aではないか、というストーリー。

 

 青年がかつての少年AだとSNSで拡散し、マンション内では彼を避ける住人が増え、管理人はとうとう青年を殴りつけてしまう。青年が少年Aだというのは誤解だったものの、青年と管理人が責任を感じてそれぞれマンションから去ろうとしたところを、チカラが説得して大団円となった。

 

 ……が、正直、ご都合主義すぎて辟易とした感があったので、まずそこに言及しておきたい。

 

 チカラが人情味あふれる言葉をつむぎ、住人たちの心がほだされて解決に至るのが定番パターンなのだが、その際にチカラが語るエピソードが偶然の産物すぎてツッコミどころになっている。

 

 チカラは第1話でこのマンションに引っ越してきたばかりだが、管理人とその亡き息子に、10年以上前、たまたま会ったことがあるという。チカラは、亡くなった息子が「そんなお父さんが僕のヒーローなんだ」と言っていたことを伝え、管理人の心をほだすのだ。

 

 しかし、チカラは第1話でもお隣のDV父にかつて偶然会ったと語っているし、第2話でも上の部屋の祖母と偶然会ったと語っている。いま現在、同じマンションにいる人々と “偶然の出会い” を重ねまくっているのである。

 

 チカラに超常的な引き寄せ能力があるという設定ならいいが、本作はそういったファンタジー作品とは違う。あまりにも “偶然の出会い” を乱発しすぎて、それを解決の糸口にしたり感動エピソードの導入にしたりするため、さすがに呆れてしまう。

 

 この手の偶然は1作品に1つぐらいにしてもらいたいし、もしその偶然がなければ、住人の問題を解決できていないかもしれない。

 

■敵が仲間になるような少年漫画の “あるある” 展開

 

 描かれる解決や感動が偶然に依存しすぎというツッコミどころはあるものの、本作には面白い要素もある。冒頭でお伝えした『ドラゴンボール』のような王道少年漫画的な展開だ。

 

『ドラゴンボール』では主人公・孫悟空がヤムチャ、天津飯、ピッコロ、ベジータを撃破していくたびに仲間になっていくが、このように敵が仲間になるのは『ドラゴンボール』以外にも通ずる少年漫画の “あるある”。

 

『となりのチカラ』では、敵というわけではないが、最初はチカラに心を開かなかった住人たちが、問題を解決してもらうたびに仲間になっていく。

 

 毎話1組がパーティーに加わっていくのがお約束で、管理人と青年を救った第5話では、第1話の娘と母親、第2話の祖母と孫、第3話のベトナム人、第4話の占い好き女性が勢ぞろいして、チカラに協力してくれるのだ。

 

 今夜放送の第6話は、第1話で未解決のまま保留になっていたDV父問題に再び向き合う。予告映像ではチカラと妻に前述の第1話~第4話の仲間たち、そして管理人と青年も加わった総勢10名で、DV父に対峙しているシーンが見られた。

 

 チカラが第5話までにコツコツと続けてきた人助けが実を結び、まるで積み上げてきた “信頼” が具現化されたような絵面である。

 

 一家庭の問題なので、DV父は非道ではあるが巨悪というほどではない。けれどチカラ一人では太刀打ちできなかったDV父に、今度は最大パーティーの10人で立ち向かうのは、なかなか壮観かつ爽快。

 

 今からワクワクする実に胸アツの展開だ。

 

 本作の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話11.5%、第2話10.7%と好調な出足だったものの、第3話8.7%、第4話8.9%、第5話8.2%と下落。視聴率だけが評価の指標ではないが、国民的アイドルグループ・嵐のエースとも言える松本主演ドラマとしては、物足りなさを感じる。

 

 しかし今夜放送の第6話は、第5話までに引き入れた “仲間全員集合回” なので、かなりのカタルシスが期待できそうだ。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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