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広瀬アリス『恋なんて、本気でやってどうするの?』妹・すずとの差別化を図る大チャンス
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.04.25 13:41 最終更新日:2022.04.25 13:47
姉妹女優としてどうしても比較されがちな広瀬アリス・すず姉妹。姉のアリスは、神格化されすぎた妹にはできない戦い方で、うなぎ上りの人気を確たるものにできるかどうか。
先週スタートした広瀬アリス主演の『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ系)は、それぞれの理由や事情で恋に本気になれない男女6人が、本気の恋に落ちていく群像恋愛ドラマ。
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アリス演じる主人公・桜沢純は仕事も趣味も充実しているため、恋愛という不確かなものに今のペースを乱されたくないと考え、「恋なんて、人生のムダ!」というポリシーを持つ。
実は過去のつらい経験から恋愛に憶病になっているようなのだが、27歳で恋愛経験ゼロ・男性経験ゼロというキャラクターである。
先週放送の第1話では、純がふと訪れたフレンチビストロで、刹那恋愛主義のモテ男・ギャルソンの長峰柊磨(SixTONES・松村北斗)と出会い、恋心を揺すぶられていく物語が展開された。
■コテコテの演出が多い平凡な恋愛ドラマ
主人公が非・恋愛至上主義者という設定は多少オリジナリティがあるが、第1話を観たところ、けっこうコテコテの演出が多い平凡な恋愛ドラマという印象。好意的に解釈すれば王道とも言えるが……。
柊磨は、純が転びそうになったところで体を支えてくれたり、傷ついているときに抱きしめて「泣いていいよ」と慰めたりするなど、ありがちなモテ男テクを連発。純は「恋なんて、人生のムダ!」と言っているわりに、そんなマンネリ気味なテクニックを発動されただけで恋心が刺激されていく。案外チョロいのだ。
そんな “王道さ=平凡さ” があまり受け入れられなかったのか、第1話の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)は7.0%と低調スタート。
放送枠は昨年10月からフジテレビに新設された月曜22時だが、初回の世帯平均視聴率は昨年10月期の綾野剛主演『アバランチ』が10.3%、今年1月期の浜辺美波主演『ドクターホワイト』が11.4%だったことを考えると、やはり物足りない数字である。
■妹・すずにはオファーが来にくいジャンル
とは言え、この『恋なんて、本気でやってどうするの?』は、広瀬姉妹の構図で考えると、妹・すずにはできない作品だと思うので、そういう意味では評価できる。
すずが姉よりも先にブレイクして人気女優になったのはご存知のとおりだが、すずはティーン時代に彗星のごとく現れた演技派だったからか、存在自体に神々しさがあるというか、どこか神格化されているイメージがある。
そのため、すずに舞い込んでくるドラマや映画は、有名監督や有名脚本家の意欲作が中心で、社会派の問題作やエッヂの効いたコメディ作などが多い。すずも映画『先生!、、、好きになってもいいですか?』(2017年)といった王道の恋愛ものに出演経験はあるが、たいていは “広瀬すずが演じる意味があるか?” が重要視された格式の高い作品となっている気がする。
ごくごく普通の恋愛ドラマを作ろうと考えたとき、制作陣はすずをキャスティングするという案が最初から念頭になかったり、オファーを躊躇してしまったりしているのかもしれない。
一方、姉のアリスには、いい意味でそういったフィルターがかかっていないように思う。
つまり、今回のような普通の恋愛ドラマは、厳密に言うと “妹・すずにはできない作品” というよりは、“妹・すずには舞い込んでこない作品” であり、だからこそ姉・アリスが女優としての価値を示すのにうってつけのジャンルなのではないだろうか。
――アリスは、今期は『探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り』(日本テレビ系)でも主演しており、人気絶頂である。すずにはなかなかオファーが来ないであろう普通の恋愛ドラマで結果を出せれば、姉妹の差別化も図れるしアリスの人気は確固たるものになるはず。注目の『恋なんて、本気でやってどうするの?』第2話は今夜放送だ。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中
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