5月24日、Twitter上に「冨樫義博」を名乗るアカウントが開設された。『HUNTER×HUNTER』(以下、『H×H』)の作者・冨樫義博氏だ。
『H×H』は1998年に「週刊ジャンプ」で連載開始。毎年多くの休載を重ねながら、いまなお続く人気作品だ。最後に「ジャンプ」掲載されたのが2018年11月。現在、3年6カ月にわたって休載が続いている。
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「あまりに休載が続いているため、連載を再開するだけでもインターネット上では大騒ぎになります。それが今回は『H×H』の生原稿とみられる画像が投稿されたため、Twitter上で爆発的にシェアされていきました。
同時に、過去に『ONE PIECE』の尾田栄一郎氏を名乗る偽アカウントが出現したこともあったため、今回のアカウントの真偽を確かめようとする声も上がりました」(ITジャーナリスト)
アカウントについて『ワンパンマン』の作者・村田雄介氏が《ご本人とのことでした。》と投稿するなど、冨樫氏と面識のある人物が続々と “本人報告” をすると、フォロワーは急速に伸びを見せ、開設1日で100万人を突破した。
Twitterの日本語アカウントでは300人弱しかいない「フォロワー100万人」を一気に突破した冨樫氏。しかし、3年半も休載を続けて、なぜいまも絶大な人気を誇っているのか――。
同作のファンを自称するAさんはこう話す。
「キャラたちが『念能力』を駆使して繰り広げられるストーリーはバトル漫画のお手本ともいえる展開です。いま人気の『呪術廻戦』ですら、『H×Hに似ている』という声や『じつは冨樫さんが描いているのでは?』なんて声まで上がるほどですよ」
そのうえで「一種の “伝統芸” がものすごく多いですから、インターネットと相性がいいんじゃないでしょうか」と言う。
「休載が多く、再開されれば大きな話題にもなりますが、連載中に下書きに近い絵のまま『ジャンプ』に掲載されることもしばしばです。
そうした状態が続いて、この10年くらいで『冨樫仕事しろ』というネットスラングまで生まれました。こんな状態でも単行本になるときには、しっかりと “仕事” をしていますから、愛され続けるのでしょう」
人気が継続しているのは、漫画以外の影響も大きいかもしれない。映像業界関係者が語る。
「連載開始してすぐの1999年、『H×H』は最初のアニメ化がされ、2001年まで続きました。その後、2011年に第2作のアニメが放映され、2014年まで続きました。
アニメによって盛り上がりが2段階で起きたんです。
それに加えて、現在の長期休載とかぶる2019年4月~2021年9月、2022年1月~3月に第2作のアニメが再放送されていたことも、ファンの『続編を読みたい』という意欲を掻き立てたのかもしれません」
しかし、まだアカウントが開設されただけ。ファンが待ち望んだ連載再開は、はたしていつになるのか。
( SmartFLASH )