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今田美桜の代表作になりえる『悪女(わる)』…社内政治の逆転劇は『半沢直樹』ばり

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.01 11:00 最終更新日:2022.06.01 11:00

今田美桜の代表作になりえる『悪女(わる)』…社内政治の逆転劇は『半沢直樹』ばり

1992年に同じ役を演じた石田ひかりとも共演し、話題を呼んでいる(写真・中島カルロス)

 

 まるで『半沢直樹』(TBS系)のような爽快かつ華麗な逆転劇だった。

 

 今田美桜主演の『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系)のことだ。コメディ色の強い作品だが、先週水曜に放送された第7話は社内抗争もののドラマとして見応えがあった。

 

 三流大学を四流の成績で卒業したものの、運よく大手IT企業「オウミ」に拾ってもらった主人公・田中麻理鈴(マリリン/今田)が、周囲を巻き込みながら出世を目指し、邁進していくストーリーだ。

 

 

 第5話まで入社1年めを描き、第6話から入社2年めに突入。

 

 麻理鈴は一見すると明るく元気なだけが取り柄だが、そのガムシャラさと型破りな言動で、数々の難問を乗り越えてきた。第7話では上司、先輩、後輩ら多くの仲間たちから一目置かれる存在になっている。

 

 そんな先週放送の第7話のサブタイトルは「7th STAGE 社内政治(社長ジュニア企画)」。文字どおり麻理鈴が社内政治にかかわっていくのだが、後半の展開が思わず膝を打つ秀逸なストーリーだったのである。

 

■師匠と対立したかに見えて結果的に最大の援護射撃

 

「オウミ」社長が倒れたことで、実績十分の専務・島田と社長の息子・伝弥が、次期社長の座をかけて争うことに。

 

 麻理鈴の師匠的存在である峰岸(江口のりこ)は、水面下で島田と女性管理職を5割に増やす計画、通称「JK5」を進めているため、島田派として動いていた。

 

 峰岸をリスペクトしている麻理鈴も「JK5」に賛同しているが、伝弥主導の「未来プロジェクト」に純粋に興味を持って参加しており、伝弥派として動くようになる。

 

 戦況は圧倒的に島田有利になっていくのだが、取締役たちからの反発を恐れ、保身に走った島田は「JK5」を白紙に戻すと峰岸に通達。

 

 島田が峰岸を裏切ったことを知った麻理鈴は、伝弥とある奇策を打つのである。

 

 伝弥は「未来プロジェクト」についてテレビの生放送インタビューを受けることになり、麻理鈴も並んで出演。

 

 そこで伝弥は、「次期社長は専務の島田さんに、と思っています」と次期社長レースから降りる旨に言及する。伝弥は自分が社長の器ではないと悟っていたようだ。

 

 もちろん伝弥の突然のカミングアウトは計画どおり。麻理鈴は驚いたような小芝居をしつつ、伝弥との掛け合いのなかで、島田が「JK5」を公約として社内を改革しようとしていると語る。

 

 伝弥と麻理鈴は「JK5」を賞賛しつつ、島田を応援することを生放送で大々的に宣言するのだった。

 

 その後、島田は社長に就任するが、「JK5」は後に引けなくなったため進めていくことになるのである。

 

■『悪女(ワル)』というタイトルの本領発揮

 

 麻理鈴の仲間たちは、「この子、なかなかの悪女(ワル)だね」「けっきょく田中先輩が一番政治してたんですね」「おそるべし、田中麻理鈴」などとその智略に脱帽。

 

 確かに意表を突いた行動で、頓挫しかけていた「JK5」を一気に復活させたのは、観ていて痛快だった。

 

 そもそも伝弥派になるのは、「JK5」を実現するために島田派として動いていた峰岸と対立する行為だ。しかし、麻理鈴は伝弥と親交を深めながらも、結果として峰岸への最大の援護射撃をやってのけたのである。

 

 今回の麻理鈴は、切れ者の峰岸の想像さえも超えた作戦を見事成功させたわけだ。コメディタッチで描かれてはいるものの、秀逸でダイナミックな逆転劇は、『半沢直樹』をはじめとした「日曜劇場」作品を彷彿させるレベルだった。

 

 第7話ラストで、社長となった島田の逆鱗に触れてしまった麻理鈴は、第1話で所属していた窓際部署に逆戻りさせられてしまう。

 

 だが、これってある意味、大物の証なんじゃないだろうか。

 

 たとえば、誰しも借金なんてしたくないだろうが、数億円、数十億円といった巨額の借金は、一般人だとしたくてもできない。それと同じで、社長に目をつけられて直々に排除されるなんて、小物社員では、されたくてもしてもらえないわけだ。

 

 ダメダメに思われていた主人公が、大手IT企業で頭角を現してきた『悪女(わる)』。世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話から第7話まで8.5%、8.1%、7.9%、7.3%、7.2%、7.0%、7.0%と推移しており、ヒット作とは呼べない水準。

 

 けれど、内容はなかなか面白いので、今夜放送の第8話以降でさらにストーリーが盛り上がっていけば、今田美桜の代表作となりえるのではないだろうか。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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