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【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『ラストダンス』歌手人生初の大冒険、五木先輩とのデュエットソング第2弾
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.11 06:00 最終更新日:2022.06.11 06:00
告白しますーー。
これまでわたしが歌ってきた数え切れないほど多くの歌の中で最大、最強で、最難関といってもおかしくないくらい苦労したのが、五木ひろし先輩とのデュエットソング第2弾『ラストダンス』です。
作詞・作曲してくださったのは、いきものがかりの水野良樹さん。2018年2月14日、バレンタインデーにリリースしたこの曲は、とってもおしゃれで軽快なナンバーです。
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ですが……おしゃれすぎて、このとき齢50を超えたわたしにとっては、歌詞を覚えるだけでもひと苦労で。そのうえ、振りまで加わって、毎回もう、何がなんだか……です。
振りがうまくいったと思ったら、歌詞を忘れる。どうにか、こうにか、歌詞を間違えずに歌えたと思ったら、今度は振りを間違える。毎回、あっち向いてホイ状態です。
こんなこと口が裂けても言いたくはありませんが、年を重ねるというのは、こういうところに影響が出てくるものなんですね。まったく、もう、ブツブツブツ……。
でも、大きな声では言えませんが、苦労していたのは、わたしだけじゃありません。踊りも楽器も、ありとあらゆることをスマートにこなす、完全無欠の五木先輩も、えーっと、モゴモゴモゴのゴニョゴニョゴニョで。
きっと、五木先輩にとっても、わたしにとっても、歌手人生初の大冒険となる一曲だったのでは!?
この曲を2人で歌ったのは、レコーディングとMVの撮影、テレビで2回。それと、2月23日から3月29日まで、明治座でおこなわれた五木先輩が座長を務める『五木ひろし特別公演 特別出演坂本冬美』のステージです。
■「あら、冬美さんそれはないわよ」
第一部は染物屋の職人、久造と吉原の花魁、高尾太夫の純愛を描いた「紺屋と高尾」。五木先輩が久造で、絶世の美女、高尾太夫を演じたのが、このわたし(笑)。
「ここ数年、本当にきれいになった冬美ちゃんに演じてもらいたかった」というお褒めの言葉をいただいた坂本冬美です。もう、えへへのうふふです。
煌(きら)びやかな衣装を身にまとい、髷(まげ)にかんざし、高下駄を履いて、八文字、八文字で、そろぉり、そろぉ~りと花魁道中。気分はすっかり、ランウェイです。ほんと、いい経験をさせていただきました。
しかもです。この年は、もうひとつ、大阪の新歌舞伎座で舞台がありまして。わたしが座長を務める特別公演で、『恋桜ーーいま花明かりーー』。恋桜も素敵なら、桜の花の白さで、あたりがぼんやりと明るく見えるという花明かりという言葉も、わたしに似合いすぎて怖いくらいです(笑)。
脚本は、宮川一郎先生。共演させていただいたのは、泉ピン子さん。そしてーー演出してくださったのは、石井ふく子先生です。
わたしにとって石井先生は、雲の上の、もっともっとはるか上……宇宙空間に燦然(さんぜん)と輝く星のような存在でしたが、わたしが何かやらかすたびに、「あら、冬美さん。それはないわよ」と、ひとつひとつ、お手本を示してくださりながら、懇切丁寧にご指導くださって。
所作や言葉遣いはもちろん、お芝居とはなんぞや。お客様にお芝居を観せるとはどういうことなのか。その心構えは……言葉では言い表わすことができないさまざまなことを教えていただきました。
今年9月には、その石井ふく子先生に演出をしていただく、『坂本冬美特別公演 中村雅俊特別出演』の舞台が、東京・日本橋浜町の明治座で開幕します。ぜひ、ぜひ、ぜひ! 皆様ご来場くださいませ。
さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、約1年半ぶりのニューシングル『酔中花(すいちゅうか)』が発売中!
写真・中村 功
構成・工藤 晋