YMOや荒井由実、尾崎豊を手がけ、2008年には青山テルマ 『そばにいるね』が「もっとも売れたダウンロードシングル」としてギネス認定された音楽プロデューサー・川添象郎さん。維新の元勲、後藤象二郎のひ孫だ。象郎という名は、「象二郎を象(かたど)る(写し取る)」ように名づけられた。
「おかげで破天荒な人生になっちゃった(笑)。象二郎は大政奉還の立役者だけど、好き放題に生きた。明治の元勲だったのに、盟友の板垣退助と征韓論で下野。一緒に自由党をつくったのに、また政府に寝返っている。娘を三菱財閥に嫁がせて、金がなくなるとせびったりね(笑)。跡継ぎの猛太郎も『天下のならず者』を自称、オランダ留学時代に大借金して勘当になってる」
象郎氏の父は猛太郎の四男・紫郎。土佐藩士・川添家へ養子に入り、川添浩史と名乗った。パリに遊学、ロバート・キャパらと親交を深め、帰国後、映画の輸入、展覧会やミュージカルなどをプロデュースした。まさに華麗なる一族だ。
「オレも19歳で渡米したけど、うちの家系は海外に向かうんだ。語学ができるし、でたらめに度胸が据わってるから、YMOを売り出したときもそれが役に立ったよ(笑)。いまは映画をつくりたいんだ。祖父は日活の創業者だから、血が騒ぐのかもね」
(週刊FLASH2017年4月11日号)