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今田美桜と江口のりこの “正解” が衝突…『悪女(わる)』はビジネスパーソン必見の良作

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.06.15 11:00FLASH編集部

今田美桜と江口のりこの “正解” が衝突…『悪女(わる)』はビジネスパーソン必見の良作

 

 お仕事ものと恋愛ものをミックスさせた、ただのドタバタコメディかと思っていたが……大間違い。ビジネスパーソン必見のかなりリアル&シビアなストーリーだった。

 

 先週水曜に第9話を放送した今田美桜主演『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系)。今夜放送の第10話が最終話となる。

 

 

 本作は三流大学を四流の成績で卒業したものの、運よく大手IT企業「オウミ」に拾ってもらった主人公・田中麻理鈴(マリリン/今田)が、周囲を巻き込みながら出世を目指し、邁進していく物語。

 

 第9話では、麻理鈴の大先輩で出世100カ条を叩き込む師匠的な存在の峰岸雪(江口のりこ)が、麻理鈴が片思いする田村収(向井理)とともに「女性の管理職5割計画」、通称「JK5」を推し進める。麻理鈴も当然このプロジェクトに賛同し、尽力していた。

 

 しかし、「JK5」の推進室室長に就任してから、「上に行く気のない人(女性)は切り捨てる」という方針で剛腕を振るう峰岸や、陰で相手の弱みを握るなどして男性管理職のリストラを進める田村に、麻理鈴は次第に不信感が募り……という展開だった。

 

■とうとう主人公・今田が師匠・江口に反旗を翻す

 

「JK5」の一環で、麻理鈴は管理職を目指す女性20人の育成プログラムを担当することに。育成プログラムには、これまでに登場していたワーキングマザーの間宮マミコ(桜井ユキ)や、エンジニアの川端光(ハリセンボン近藤春菜)らも参加していた。

 

 けれど、マミコは家庭と両立しながら管理職を目指すという現実の厳しさから夫と不和が生じ、川端はもともと出世を望んでおらずモチベーションが低下していく。そんな彼女たちのつらそうな姿を見て、麻理鈴にも迷いが生まれてしまう。

 

 峰岸は「今、優先すべきは『JK5』。やるべきことのためには情なんてはさまない。それが悪女(わる)になるってことだよ?」と伝えるも、麻理鈴は納得いかず。

 

 彼女には今の「JK5」の進め方が本当に女性社員のためになっているのか、逆に女性社員を犠牲にすることになっているのではないかと疑問を抱くのだった。

 

 そして第9話のラスト、とうとう麻理鈴が「今はじめて、田中、峰岸さんに逆らいます。峰岸さん、間違ってます。『JK5』はこれじゃダメです」と反旗を翻す。

 

 ……しかし、だ。

 

 本当に峰岸は間違っているのだろうか。

 

 確かに、女性の地位向上という崇高な目的を持った「JK5」を推し進めた結果、つらい思いをする女性や切り捨てられそうになる女性が出てきているので、本末転倒のようにも見える。

 

 だが、本当に峰岸のやり方は間違っているのか?

 

■剛腕の江口による「痛みをともなう構造改革」の是非

 

 結論を言うと、麻理鈴が間違っているわけではないが、峰岸も間違っているわけではないように思う。

 

 どちらも、ひとつの正解。価値観の違いにすぎず、“正しさ” と “正しさ” が衝突しているだけではないだろうか。

 

 非情な上司に主人公が対立する展開で、意図的に峰岸や田村がヒール役として描かれ、峰岸たちが間違っているかのような演出だったが、それは麻理鈴視点の物語だからでしかない。

 

 小泉純一郎元首相が「痛みをともなう構造改革」を謳っていたが、要するに峰岸がやっているのはその路線だ。改革を成し遂げるには、ある程度の犠牲や軋轢は覚悟しないといけない。

 

 国でも企業でも、現在は誰しもが賞賛しているような制度や構造改革も、それが浸透しきるまでの過渡期には、「JK5」のような不満や問題が数多く噴出していたケースも多々あるはず。

 

 誰もが賛同し喜んでいたわけではなく、その改革によって不利益が生じた人もいただろうし、反対して切られる人もいれば、ついていけずに去らざるを得なかった人もいただろう。

 

 たとえば、このまま峰岸の方針どおりに「JK5」を遂行していけば、多くの不満を生み、犠牲者も出るかもしれない。

 

 ただ、改革が完了し、それから5年、10年と月日が経っていけば、女性管理職5割が当たり前という認識が浸透し、実際に社内の女性の地位がナチュラルに向上している可能性も充分ありそうだ。

 

 そうなれば当然、峰岸らの改革前夜の非情なおこないも、必要な痛みだったとされるはず。

 

■「峰岸さん、間違ってます」発言こそ間違ってる?

 

 全員を救おうとする麻理鈴の思想は理想的だ。だが、理想が高すぎてそのスタンスで「JK5」を進めると、改革の成功率が下がるだろう。

 

 理想を掲げるのが間違っているわけではないが、それで「JK5」が頓挫してしまっては何も残らない。

 

 さらに、失敗した計画というのは往々にして悪く言われるもので、崇高なはずの「JK5」の理念自体も否定されかねない。

 

 一方、峰岸の方針は、ある意味で妥協案だ。彼女だって犠牲を出さずに改革を達成するほうがいいことは百も承知。

 

 しかし、理想だけを追求していくと、成功率が下がることを熟知しているからこそ、痛みを受け入れるという妥協をしているのではないか。

 

 要するに、麻理鈴が掲げるのは成功率が下がっても理想を追求するという “正解” で、峰岸は改革達成の成功率を上げるために犠牲を覚悟するという “正解”。

 

 不確定な未来に対して、ふたつの “正解” が衝突している構図だと思う。

 

 そのため筆者は、麻理鈴が「峰岸さん、間違ってます」と言い放ったとき、価値観の多様性を理解できていない発言だな、と感じてしまった。もちろん、未熟ながら猪突猛進するところも麻理鈴の魅力なのだが。

 

 ――本作の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話から第9話まで8.5%、8.1%、7.9%、7.3%、7.2%、7.0%、7.0%、7.3%、7.0%と推移。全話平均で7%台は決していい数字ではないが、良作だと感じる。最終話で「JK5」がどう着地するか、注目だ。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 


( SmartFLASH )

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