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【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『父と娘』北島三郎御大の55周年記念、父と娘の情愛デュエット曲実現

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.18 06:00 最終更新日:2022.06.18 06:00

【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『父と娘』北島三郎御大の55周年記念、父と娘の情愛デュエット曲実現

北島三郎と写る坂本冬美

 

 御大・北島三郎先輩とデュエットさせていただいた『父と娘』(2016年発売)は故・村田英雄先生とご一緒させていただいた『平成5・5音頭』、五木ひろし先輩との『居酒屋』『ラストダンス』と並んで、演歌お宝デュエットのひとつです。

 

 きっかけは、御大の芸道55周年記念として、レコード会社7社の垣根を越えたデュエットシリーズを作ろうという夢のような企画が持ち上がったことでした。

 

 

 今だからなんでもないことのようにいえますが、これって、すごい……いや、ものすごいことです。

 

 同じレコード会社ならわかります。何人か集まって一枚のレコードを出すというのも、かつて経験したことがあります。

 

 でも、だけど、しかしーー。ライバルであるはずのレコード会社が、それも演歌の世界でお互いしのぎを削ってきたライバルの7社が、協力して7枚のシングルを出すというのは……正直、Oh My GOD!でした。

 

 演歌の大黒柱として、ずっと先頭を走り続けてこられた御大の北島先輩だから実現した企画です。

 

 キングからは、大月みやこ先輩。コロムビアは、大川栄策先輩。徳間ジャパンは、吉幾三先輩。テイチクは、島津亜矢さんで、ソニーは、藤あや子さん。クラウンが、三山ひろしくんで、ユニバーサルが、わたし坂本冬美です。

 

■レコーディングは父が娘を見守るよう

 

 作詞は、それぞれの曲で違う先生が書いてくださいましたが、作曲はすべて御大の北島先輩が、原譲二のペンネームで書いてくださったもので。夫婦の心情を歌った曲があれば、男の友情もあって、バラエティに富んだ素敵な作品がずらりと並びました。

 

 そんななか、わたしがリクエストさせていただいたのは男と女ではなく、父と娘……親子の情愛を描いた作品にしてほしいというものでした。

 

 初めて御大の北島先輩にお会いしたのは、わたしがまだ、花も恥じらう乙女(?)、セーラー服が似合う(?)JKだったころです。

 

 突然、北島先輩に歌を聴いていただく機会が訪れ、緊張しながらも精一杯歌った後、

 

「歌手になりたいのか?」

 

「はい! なりたいです!!」

 

「わかった。だったら、高校を卒業してからな」

 

「よろしくお願いします!」

 

「じゃあ、頑張れ」

 

 目の前に差し伸べられた北島先輩の手を熱く握り返し、あわよくば、北島三郎事務所に入れるかもしれない……などという大それた夢を見たこともありましたが、モゴモゴモゴ(笑)。

 

 北島先輩は、いつもどんなときも、ず~~っと先頭を走っていて、後輩のわたしたちに、その背中でいろんなことを教えてくださっています。

 

 その北島先輩とデュエットできる。それは、本当に夢のようなお話でした。

 

 2人並んでのレコーディングは、まるで父が娘を見守るように、どこまでも温かくて。優しさに包まれながら、幸せな時間を過ごさせていただきました。

 

 ただ、ひとつだけ残念なのは、北島先輩と一緒に歌わせていただいたのが、このレコーディングのときと、北島先輩がホストを務める歌番組『サブちゃんと歌仲間』の二度だけで……。

 

 録画したVTRは、大事な大事な宝物としてしまってありますが、できることならもう一度、北島先輩と一緒に同じステージで歌いたいーー。

 

 北島先輩、どうかわたしのこの夢をかなえてください。

 

 ずっと、ず~~っと、首を長くしてお待ちしております。

 

さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、約1年半ぶりのニューシングル『酔中花(すいちゅうか)』が発売中

 

写真・中村 功
構成・工藤 晋

 

( 週刊FLASH 2022年6月28日号 )

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