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加藤浩次も疑問を呈する「重い教科書をなぜ電子化しない?」の難しさ 文科省の実証事業では子供たちの4割に「目の疲れ」が
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.22 16:57 最終更新日:2022.06.22 16:59
6月21日、極楽とんぼ・加藤浩次がMCを務める『スッキリ』(日本テレビ系)で、「なぜタブレットの中に教科書を入れないのか」との疑問を投げかけた。
番組で取り上げられたのは「さんぽセル」。教科書や資料などを入れ、4kg近い重さのランドセルを毎日、背負っている小学生の中には、腰などを痛める子も出てきている。そのため、栃木県の小学生が、ランドセルにキャリーバッグをつけ、地面をゴロゴロ転がして移動できる「さんぽセル」を開発し、話題となっている。
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そこで加藤は、教科書のほかにタブレットも学校が配布していることから、「パッドだけ持って行けばいいんじゃない? パッドの中に教科書を入れることが、なんでできないの?」と疑問を呈したうえで、「教科書も持って、パッドも持つから、さらに重い。今の技術があるなら簡単。電子書籍があるんだから。何冊もあの中に入ってるんだから。なぜできないか考えるべき」と訴えたのだ。
「重さを考えれば、すべての教科書をタブレットに入れたほうが、軽くなって小学生の負担が減るのは間違いありません。ただ、教科書をすべてデジタル化し、デジタル機器に触れる時間が長くなれば、子供の視力に影響を与える可能性も出てきます。
文部科学省は2024年度にデジタル教科書の本格導入を目指していますが、同省がおこなった実証事業では、2~4割の小中学生が、授業後に目や首、肩に疲れや痛みを感じた、という結果も出ています」(生活家庭部記者)
文科省は2021年度、約1万2200校でデジタル教科書の使用状況や効果などのアンケート調査をおこなった。その結果、デジタル教科書や学習用端末を使った授業の後、目や首、肩に疲れや痛みを感じたのは、小学校低学年生で2割以上、中・高学年生と中学生では4割前後が、疲れや痛みを訴えた。また、全体の4割が「昼間に眠く感じる」と答えたという。
この報告が報じられると、ネット上ではデジタル教科書の本格導入に懐疑的な声があがった。
《ペーパーレスにこだわるのではなく、デジタルの良い面、悪い面を考えた活用方法を見出だして欲しいと思います》
《長い目で見ると視力低下は親世代よりもグッと早めにその時期が来るのではないだろうか。タブレット導入時に視力回復等の対策も同時に考えていかないといけないことだと思う》
《大人でもブルーライトによる視力低下や、寝付きの問題、キー入力時の姿勢の問題などいろんな弊害が言われています。大人ならある程度はコントロールできますが、子供に対しては大人がコントロールしてやる必要があると思います》
《何でも「タブレットがいい」「タブレットを使うことが当たり前」となってしまうのはよくないと思います》
文科省では2022年度、全小中学校を対象にした実証事業をおこなっており、来年度には報告書を出す予定という。重い荷物を運ぶか、目への負担を重くするか……。子供たちにはあまりに厳しい選択肢だ。
( SmartFLASH )