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『オールドルーキー』情けない綾野剛を楽しみつつ…ラスボスは意外と反町隆史か?

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.07.02 11:00 最終更新日:2022.07.02 11:00

『オールドルーキー』情けない綾野剛を楽しみつつ…ラスボスは意外と反町隆史か?

 

 情けない。綾野剛がとにかく情けない。だが、それが新鮮でいいのだ。

 

 先週日曜にスタートした綾野主演の日曜劇場オールドルーキー』(TBS系)は、プロサッカー選手の引退後のセカンドキャリアを描くドラマ

 

 第1話は、かつて日本代表としてゴールを決めたこともあったサッカー選手・新町亮太郎(綾野)が、所属していたJ3のチームが突然解散したことで、37歳にして現役引退を余儀なくされるところから始まる。

 

 

 ハローワークに行き、なんとか営業の仕事に就くも、サッカー一筋で一般的な社会人経験がゼロのため、すぐクビに。

 

 そんなとき、現役アスリートの代理人といった裏方業務をおこなうスポーツマネージメント会社、「ビクトリー」の社長・高柳雅史(反町隆史)に契約社員として拾ってもらうのだった。

 

 第1話の世帯平均視聴率は11.2%。二桁発進となったが、TBSの看板枠でヒットドラマを連発している「日曜劇場」作品として考えると、少々物足りない数字。

 

 だが、綾野と反町の演技対決、そして2人が演じる新町と高柳の描き方次第で、右肩上がりになっていく可能性も十分あるだろう。

 

■“クールで隙のないデキる男”…ではない綾野剛が見られる

 

 冒頭でお伝えしたとおり、今作の綾野が演じる主人公は情けない描写が多い。

 

 新町はまだ現役選手として需要があるとタカをくくっていたが、どのチームからもお声がかからず、動揺して焦ったり、コーチとして採用してくれるチームを探してほしいと高柳らに土下座したり……。

 

 また、道路工事の交通整理の仕事をしているところに現れた高柳から「うちで働いてみないか?」と誘われると、「ふぇ、あっあっ、ありがとうございます」と泣きじゃくるシーンもあった。

 

 綾野は、昨年はドラマ2作品に主演しているが、これまで彼が演じてきた役柄は “クールで隙のないデキる男” ばかりだった。

 

 昨年4月期に石原さとみとダブル主演した恋愛ドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系)では、ツンデレな御曹司という役どころ。胸キュンシーンで綾野のデレる演技は目新しかったが、ベースは “クールで隙のないデキる男” だった。

 

 昨年10月期に綾野単独主演で放送された『アバランチ』(フジテレビ系)では、綾野の真骨頂とも言える演技が見られた。

 

 社会の巨悪に立ち向かっていく謎の組織の活躍を描いた作品で、綾野は普段はクールだがキレると何をするかわからない、バトルジャンキーのような主人公を好演していたのだ。

 

 このように “クールで隙のないデキる男” のイメージが根強い綾野が、『オールドルーキー』では土下座したり泣きじゃくったりと情けない演技で魅せ、新境地を開拓。

 

 しかも、その情けないキャラクターを違和感なく演じており、演技の上手さ、幅の広さを知らしめる形となっている。

 

■反町隆史は熱い男を演じる役者というイメージを逆手に取る

 

 綾野に次ぐ主要キャストで物語のキーマンとなっているのが、「ビクトリー」の社長を演じる反町だ。

 

 反町と言えば、ちょうど25年前の夏に放送されていた『ビーチボーイズ』(1997年/フジテレビ系)や、その翌年に主演した『GTO』(1998年/フジテレビ系)が代表作で、さわやかな熱血漢のイメージがあっただろう。

 

 水谷豊主演の『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)で、今年3月まで4代め相棒を演じていたのも記憶に新しい。

 

 反町は熱い男を演じるという印象を持っている視聴者が多いだろうが、『オールドルーキー』の高柳は、そんなパブリックイメージを逆手に取っているフシがある。

 

「ビクトリー」社は「すべてのアスリートにリスペクトを」を企業理念として掲げており、高柳も表向きはそのように振る舞っている。

 

 だが、裏の顔は利益追求型の合理主義者で、極端な呼び方をするなら銭ゲバ。新町の履歴書を無情にシュレッダーにかけようとするなど、アスリートへの敬意が希薄そうな描写もたびたびある一癖ある人物だ。

 

 実際、新町を自社に引き込んだのは、ドイツで活躍中の有名サッカー選手が新町と同じ高校出身だと知ったから。

 

 新町がいればサポート契約を取れるのではという打算があったようで、都合よく使い捨てしようとしていたことが判明する。

 

 高柳は、根明で真っすぐな新町と対称的なキャラクター。

 

 そのため、今後新町と高柳の関係性がどう変化していくかが、本作の見どころとなるだろう。

 

 新町の情熱に触れて高柳が改心していくという展開もあるだろうが、物語後半で新町が独立してフリーランスのエージェントになり、「ビクトリー」と対立して高柳がラスボスになるなんて展開も……?

 

 注目の第2話は今夜21時から放送だ。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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