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『渡る世間は鬼ばかり』『家政婦は見た!』の名脇役・野村昭子さん死去…1カ月半前の電話で筆者に語ったこと
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.07.03 15:45 最終更新日:2022.07.03 15:49
ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の小料理屋「おかくら」を手伝う青山タキ役や『家政婦は見た!』(テレビ朝日系)の大沢家政婦紹介所の所長の大沢キヌヨ役などでおなじみの名脇役女優・野村昭子さんが95歳で亡くなられました。
筆者は今年5月半ば、18歳で終戦を迎えた野村さんに戦争体験についてお聞きしたいと思い、取材依頼の電話をかけさせていただきました。
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すると、電話口に野村さんご本人が出られたのです。筆者が取材のお願いをすると、「もう私はおばあさんだからね。女優の仕事もやってないのよ。だからそんなこと言われてもしゃべれないわよ」とお元気そうな口調で答えてくださいました。
取材は早々に断られたものの、そこからなぜか不動産関係の話になりました。難しい話をスラスラされていたので筆者が「野村さん、すごいですね」と言うと、「私はちゃんとした女学校を出てるから頭がいいのよ」と笑っておられたのを覚えています。
そこから、筆者のことを気遣ってくれたのか戦争の話も少ししていただきました。
「戦争はよくないね。当時、私は終戦を知って、死のうと思って家を出たの。皇居に行ったらたくさんの人が皇居の方に向いて土下座してるのよ。なかにはそのまま死んだ軍人さんもいて。結局、気持ちが醒めて家に帰ったけど……」
電話の最後、「あなたいくつ?」と歳を聞かれ「53歳です」と答えると、「あら、まだまだ若いわね。もっと勉強して頑張りなさいね」と励ましの言葉をいただきました。
突然の電話にもかかわらず、ご丁寧に対応していただきまして、ありがとうございました。心からご冥福をお祈りいたします。
インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人とライターの二足のわらじで活動している。
( SmartFLASH )