4月7日に自宅で倒れているのが発見され、その後、死亡が確認された藤子不二雄A(本名・安孫子素雄)さん。
『怪物くん』『笑ゥせぇるすまん』などを生み出した偉大な漫画家を、作家・大沢在昌氏が本誌で追悼した。
「安孫子さんとは40年くらいのつき合い。最初は、ゴルフだったか麻雀だったか覚えてないけど、俺の父親代わりみたいな作家の生島治郎さんと、俳優の芦田伸介さんに紹介されて。
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俺がまだ20代で、覚えているのは、ゴルフのスコアが初めてハーフで50を切ったとき、安孫子さんが一緒にまわってたんだ。『50を切るぞ、50を切るぞ』って呪文のように唱えてたら、安孫子さんから『うるさいね、君は』と言われてね。
そのとき、たぶん安孫子さんは50歳前くらいだと思う。ふだんは安孫子さんと呼ぶんだけど、仲よくなってからは『アビちゃん』、最後には『ジジイ』なんて憎まれ口をきいてたけど。
『大沢ちゃんも若いころはかわいかったけど、売れてからは私のことをさげすんで』とか言いながらも、誘ってきて」(大沢氏)
6月22日には、駆け出し時代の日記に『まんが道』のカットを盛り込んだ『トキワ荘青春日記+まんが道』(光文社)が発売。生前から進んでいた企画で、表紙のラフを自ら描くなど、出版に向け精力的に取り組んでいた矢先の訃報だった。