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波瑠『魔法のリノベ』視聴率は微妙でテーマも地味だが…せっかくの良作を埋もれさせるな

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.08.01 11:00FLASH編集部

波瑠『魔法のリノベ』視聴率は微妙でテーマも地味だが…せっかくの良作を埋もれさせるな

 

 先週月曜に第2話が放送された波瑠主演の『魔法のリノベ』(フジテレビ系)。視聴率は微妙だし、そもそものテーマが地味だし、ここから右肩上がりになる伸びしろもあまりなさそう。

 

 だから大ヒットドラマになることはないだろうが……しかし、勘違いしないでもらいたい。実は、とても良質で面白いドラマなのだ。

 

 同名漫画が原作の『魔法のリノベ』は、リフォーム業界を舞台に、依頼主の住宅のリノベーションを通じて人間模様を描くお仕事ヒューマンドラマ。

 

 

 世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話が7.4%、第2話が6.7%と低調であるものの、登場人物たちの掛け合いがコミカルでテンポよく、それでいてこれといったダメな要素は見当たらない。大化けはしないだろうが、面白い良作という印象である。

 

■昨年のヒットドラマ『ハコヅメ』に通底する面白さ

 

 真行寺小梅(波瑠)は大手リフォーム会社のエースだったが、同僚の元彼との人間関係のトラブルなどが原因で退社。同業の弱小企業「まるふく工務店」に誘われて転職する。

 

「まるふく工務店」社長の長男であるリノベ営業担当・福山玄之介(間宮祥太朗)とバディを組むことになり、2人でリノベーションを依頼してくるさまざまな家庭の問題と向き合っていく1話完結型のストーリーだ。

 

 高評価のポイントは、小梅と玄之介のキャラがそれぞれ立っていて魅力的なところ。2人とも飾らない性格のいい人なので好感が持てるし、自分の弱さをさらけ出せるタイプなので共感もできる。

 

 たとえば第1話で小梅が「まるふく工務店」メンバーに歓迎会をしてもらったシーン。持ち前の気立てのよさで従業員の中年男性たちと親睦を深めるのだが、帰宅後に「くーっ! オッサンにモテたぁ」と1人でビールを飲みながら自らをねぎらう。

 

 第2話では、競合する大手リフォーム会社の元彼に依頼主の情報を伝えたことが原因でトラブルになるものの、自分の非を認め「自分のなかの女心、なめてました!」と素直に謝罪するのだ。

 

 一方の玄之介は、小梅とバディを組むまで一度も契約が取れたことのなかったダメ社員。プライベートでは妻が実弟と駆け落ちしたため、現在はバツ2のシングルファザーというダメ男。だが、とある飛び抜けた “能力” を持っていることが第2話であきらかに。

 

 前述の小梅が引き起こしたトラブルで、彼女が1人で謝罪に行こうとするところを引き止めたかと思うと、いつもとは違う低いダンディな声でたっぷり間をためながら、こう語りだすのだ。

 

「やっと僕のターンがまわってきました。前の職場で僕は “詫びの玄” と呼ばれていました。小梅さんに勝てる僕の唯一のアビリティーは “詫び” です」

 

 次の瞬間、場面転換して目に飛び込んできたのは、依頼主を前に玄之介が床すれすれまで頭を下げて土下座する姿。しかもただ低姿勢で許しを請うのではなく、小梅のミスを上手にフォローし、依頼主の留飲を下げることに成功する。

 

 そして、玄之介を信頼し、隠していた本音を話してくれるようにまでなるのだ。

 

 小梅と玄之介の魅力に通ずるのは、独特の語彙力。

 

 昨年のヒットドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)に通底する部分があるが、コメディタッチの漫画原作ドラマならではのクスッとなる秀逸なセリフが多いのである。

 

 そんな小梅と玄之介のバディがばっちりハマッているのはもちろん、社長・蔵之介をはじめとした「まるふく工務店」には気さくなオッサンばかりなので、ほっこりしたチーム感が漂っている。作品全体が明るい雰囲気なのだ。

 

――第3話は今夜放送。ここから視聴率が爆上がりすることはないかもしれないが、この “隠れた良作” が日の目を見ないままにしておくのはもったいない。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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